零僕


<1/2>


「いーたんいーたんー」


「なんだよ零さ…」


「な?すげぇだろ??」


「…………………」




絶句。
吃驚したよ、戯言吐くのさえ忘れてたわ




「な?」


「………………………もといた所に戻してきなさい」


「車がよく通る道路の真ん中」


「なんで拾ってきたんだ」


「そこにいたからだ。いやぁ、俺の良心が大量発生してな。ほっとけなくなっちゃって」


「安全な所に移動させるだけというのは」


「ないな」


「………………えぇー」




お前に良心なんてあったのー?




「リアクション微妙だな」


「微妙って…当たり前だろ。
犬とか猫とかそういうセオリーなのだったら一瞥してもといた所に戻してきなさい。で、すんだけどさ、
………何故に亀?」


「そこら辺までは流石に知らね」


「しかも…」


「おーいえー。いっつあびっぐさいずー」




何故零崎は英語を日本語発音で言った真意とかは知らないけど、兎に角でかい…
でかいよ、この亀。顔くらいはあるんじゃないかな?




「さてどうしたもんか」


「決めてないのかよ」


「いやー拾ったのもいーたんに見せるのも全部行き当たりばったりで」


「つまり何も考えてなかったと」


「うん」


「…………」


「ちょ、何コイツテンションうざーいみたいな目で俺を見ないで!」


「被害妄想うざい」


「いやぁ、よかったよかった」


「よくないよ。さっさと川に帰してこい。つーかテンションうざ、…じゃなくて存在がアレだね。

あ。言っちゃった。ごめんごめんかっこわらい」


「悪化したよ!ひでぇ!!」


「ったく、」




あー疲れるなぁ




「疲れたように溜め息吐きたいのはこっちの方だ!!」


「そこ下りたら川あるから、そこに帰しとけよな」


「おー。って、いまさっきいーたんがお告げした道ってよ、すげぇ獣道に見えるんだが幻覚なのか?」


「そんなことあるわけないだろ。ちょっと草木が激しく育ってるだけじゃないか」


「色々と矛盾してんぞ、コラ。聞いてんのか戯言遣い」


「大丈夫。ぼく、信じてるから…零崎のこと」




大丈夫大丈夫。零崎なら大丈夫だよ、きっと
保証とかはないしできないしやらないけど。






[*prev] [next#]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -