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「モシモシ」




と、突然俺、もしくは欠陥、もしくはいーたんが言った。
別に電話してるわけじゃなさそうだ。




「もしもし?」


「モシモシ」




俺が聞き返すと心なしか嬉しそうな声が返ってきた。





「どうしたんだよ、いきなりもしもし言い始めてよ。」


「えっと、哀川さんに影響されてサブマスにハマったんだよ。」


「サブマスぅ?」




サブマスってアレだよな、
ボケモソのアレだよな。あの双子だよな?

しかも、赤色かよ・・・



「途中までは理解したけどよ、なんでもしもし言ってんだ?サブマスなら"もし"じゃなくて"マシ"だろ」


「・・・・・・・・・・だって、」




と、意味深に間を開けた欠陥は俺から顔を背けた。
うわぁ、こりゃ次の衝撃の覚悟しなきゃいかんパターンぜ。かはは、笑えねぇなぁ。




「だって、ヒトモシ。可愛いだろ」




そういった欠陥は俺の様子を伺うように首だけ動かし、こちらを見た。
少し困ったような、照れてるような表情がこちらを見た。見た。


見てしまった。俺が、

欠陥のその顔をっ!!
ああああぁぁぁあぁああ、畜生、ヒトモシ可愛いとか、ちょ、それでモシモシ言ってたとか可愛いだろ!




「いいじゃないか。別に」


「大丈夫だ。全然悪くねぇから」


「・・・そう」




まぁ、なんか「モシー」って可愛いしアリだろ。
赤色ナイスだ。今回はナイスだ。




「あ、じゃあ零崎」


「ぁん?」


「ぼくがもしーって言ったらマシーって言ってよ」


「欠陥がヒトモシで俺がノボリさん?」



「うん。」




何だろう、このヒトモシの鳴き真似してる欠陥は、

断れねーじゃねーかよこんチクショウ




「モシー」


「マシー」

「モシモシ」

「マシマシ」




今日の欠陥はすこぶる機嫌が良かった。
ゲームのようなら俺は欠陥の主人なのだろうと考え、やめた。

主従関係でいつもこんな時間を過ごすのも悪くはないが、やはり俺は俺でいたいと思う。




まぁ、たまになら全く問題ないのだ。
精神年齢がうんと下がったように見える欠陥は目の保養になる



ツーンデレのデレは貴重だからだ。
曲識兄ちゃん風に悪くねぇだろ?





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