屋上で叫ぶI Love You!!(光謙)
あぁ、苛々する。
例えば、クラスが一緒やからって。
3年一緒にいたからって。
「…はぁ。」
謙也さん、白石部長と一緒すぎや。
「おーぃ、財前ー?」
「…何すか、謙也さん。」
気分が優れない、なんて言って屋上で6時限は、サボった。
他の時間も教室におらんかったかもしれないが、忘れたわ。
あ、千里先輩や。あの人もサボっとんのかい。
なんて過ごしとったら、授業が終わって2分。
忍足謙也さんが目の前におった。
「めっちゃ心配したんやで?」
「謙也さんに心配されるほど、落ちぶれた覚えないっスわ。」
ほんま腹立つな、このアホー。とか罵声は無視して、照り返しの眩しい金を見上げる。
「んで、何が心配したんスか。」
「今日はミーティングや言われとったの、財前に言い忘れとった、って白石が…」
白石…?
「やから、HRが始る前に行って来いって。」
「で?」
あ、若干自分、不機嫌や。
「で、財前のクラス行ったら調子悪いって言って消えたいうから…」
おん?変や。
いくら難波のスピードスターで通ってる謙也さんでも、3年の教室から2年の教室、保健室、そして屋上…
まさか…?
「そのままここにきた、と。保健室でもないのに?」
「あぁ!!財前は保健室より屋上やな、と思って。」
!
「せいかい、やろ?」
にやり、そんな表現がよう似合った笑みを浮かべた(何や、ヘタレのくせに。)謙也さんは、そっと、俺に手を差し伸べた。
「ほな行くで。」
あんま遅いと白石に怒られたる。
その言葉に、過敏に反応してしまった。
「また、部長っスか?」
「…財前?」
立ち上がって、謙也さんから背を向ける。
「そんなに部長が好きなら、部長ん所におればええじゃないですか。」
「っ!?財前!?」
謙也さんを振り返る。
その瞳に涙を浮かb…って!?
「け、謙也さん…?」
次の瞬間。
俺は真っ赤になった謙也さんに抱きつかれていた。
「アホ!!光のアホ!!」
ぎゅーっと拘束され、罵声を再び発されるが、そないなこと気にしてられん。
謙也さんが俺に抱きついとる。
「俺は、おれは…お前が好きなんや!!」
嘘やと思った。
でもこの熱も、謙也さんの体温も本物で。
「…俺も、謙也さんのこと、好きっスわ。」
それだけ言って、真っ赤な頬にキスをした。
屋上で叫ぶI Love You!!
(そもそも財前のこと好きやなかったら探しになんか来へんで。)
(財前、やなくて、光って呼んでくれないっスか?)
(…ひ、光…//)
(訂正します、やっぱ愛しとります、謙也さん。)
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