プロシュートと私の出会いは、普通だった。
曲がり角でぶつかったわけでもなく、車のタイヤを交換してもらったわけでもない。ましてや、痴漢から救ってもらい、そこから恋愛へ発展…ということでもない。
ただ、上司と部下として出会った。
年齢差も慎重さをある。
でも、気づいたらお互い恋人同士になっていたんだ。
-お兄ちゃん大好き!-
「プロ兄ぃ」
「…name、いい加減『兄ぃ』ってつけるの止めろ」
私は普段、プロシュートとプライベートな時間を過ごすときでも、兄貴分として接してしまう。
それをプロシュートは嫌がるのだが、私は嫌がるプロシュートを見て、ニヤニヤするのだ。
だって、可愛いじゃない。
「じゃあなに? お兄ちゃんって呼んで欲しいの?」
「全く違う。普通に名前で呼べばいいだろ」
プロシュートはため息をついて、私の方をみやる。
でもいくら恋人として付き合ったとしても、プロシュートは私の兄貴分で、とても大切なお兄ちゃん。
クールなのに面倒見がよくて、駄目駄目なペッシに対しても厳しく優しい。
「で、なんだ?」
「なにが?」
「…さっき、呼んだだろ。何か話があるんじゃないのか?」
「いや、呼んでみただけっす」
「お前……」
プロシュートはめんどくさそうな表情をしながら、私の頬を片手ではさむ。
ぎゅーっと頬を中心に寄せられ、私はなんとも不細工なお顔を晒すことになった。
私とプロシュートの身長差は、だいたい顔一個。不細工な顔のままプロシュートを見上げると、笑われてしまった。
「不細工だな」
「うるひゃい」
頑張って背伸びをして、プロシュートにキスをする。
私はフレンチのつもりだったけど、プロシュートに後頭部を捉えられ、キスは自然と深いものになっていった。
毎回キスをするたびに、『慣れてるなあ』と思ってしまう。
甘くとろけるような、相手をその気にさせるキス。
唇が離れる頃には、私はすっかりその気になってしまう。
「………プロシュート…」
「なんつー顔してんだ。まだ昼間だぞ」
「プロシュートがその気にさせたんじゃない!」
「わかったわかった。ベッドに行きたいんだな」
ひょい、と抱き上げられ、私は小さく悲鳴を上げた。
なんだか目の前にある、プロシュートの余裕綽々な顔が気に入らなくて、つい拗ねた表情をしてしまう。
私はこんなにも、ギリギリなのに。なんでそんな余裕の笑みを浮かべられるのだろう。
「name」
「…なに」
「…呼んでみただけだ」
「!!」
プロシュートの腕の中で、ひたすら暴れてみたりするけど。
わがままな私に付き合ってくれている、大人なプロシュートが大好きで。
実は余裕なんかろくにないのに、余裕のあるふりをするプロシュートを愛していて。
こんな昼間から盛ってしまう私たちは、思った以上に子供なのかもしれない。
…まあ似た者同士、お似合いってことで。
(愛してる、とか言ってもらえると思ったのに…)
(ベッドの上でたくさん言ってやるんだから、別にいいだろ?)
曲がり角でぶつかったわけでもなく、車のタイヤを交換してもらったわけでもない。ましてや、痴漢から救ってもらい、そこから恋愛へ発展…ということでもない。
ただ、上司と部下として出会った。
年齢差も慎重さをある。
でも、気づいたらお互い恋人同士になっていたんだ。
-お兄ちゃん大好き!-
「プロ兄ぃ」
「…name、いい加減『兄ぃ』ってつけるの止めろ」
私は普段、プロシュートとプライベートな時間を過ごすときでも、兄貴分として接してしまう。
それをプロシュートは嫌がるのだが、私は嫌がるプロシュートを見て、ニヤニヤするのだ。
だって、可愛いじゃない。
「じゃあなに? お兄ちゃんって呼んで欲しいの?」
「全く違う。普通に名前で呼べばいいだろ」
プロシュートはため息をついて、私の方をみやる。
でもいくら恋人として付き合ったとしても、プロシュートは私の兄貴分で、とても大切なお兄ちゃん。
クールなのに面倒見がよくて、駄目駄目なペッシに対しても厳しく優しい。
「で、なんだ?」
「なにが?」
「…さっき、呼んだだろ。何か話があるんじゃないのか?」
「いや、呼んでみただけっす」
「お前……」
プロシュートはめんどくさそうな表情をしながら、私の頬を片手ではさむ。
ぎゅーっと頬を中心に寄せられ、私はなんとも不細工なお顔を晒すことになった。
私とプロシュートの身長差は、だいたい顔一個。不細工な顔のままプロシュートを見上げると、笑われてしまった。
「不細工だな」
「うるひゃい」
頑張って背伸びをして、プロシュートにキスをする。
私はフレンチのつもりだったけど、プロシュートに後頭部を捉えられ、キスは自然と深いものになっていった。
毎回キスをするたびに、『慣れてるなあ』と思ってしまう。
甘くとろけるような、相手をその気にさせるキス。
唇が離れる頃には、私はすっかりその気になってしまう。
「………プロシュート…」
「なんつー顔してんだ。まだ昼間だぞ」
「プロシュートがその気にさせたんじゃない!」
「わかったわかった。ベッドに行きたいんだな」
ひょい、と抱き上げられ、私は小さく悲鳴を上げた。
なんだか目の前にある、プロシュートの余裕綽々な顔が気に入らなくて、つい拗ねた表情をしてしまう。
私はこんなにも、ギリギリなのに。なんでそんな余裕の笑みを浮かべられるのだろう。
「name」
「…なに」
「…呼んでみただけだ」
「!!」
プロシュートの腕の中で、ひたすら暴れてみたりするけど。
わがままな私に付き合ってくれている、大人なプロシュートが大好きで。
実は余裕なんかろくにないのに、余裕のあるふりをするプロシュートを愛していて。
こんな昼間から盛ってしまう私たちは、思った以上に子供なのかもしれない。
…まあ似た者同士、お似合いってことで。
(愛してる、とか言ってもらえると思ったのに…)
(ベッドの上でたくさん言ってやるんだから、別にいいだろ?)