「んっ……もういい、よ…ブチャラティ」
nameが上半身を起こし、俺の頬をなでる。
その顔は、寂しそうな嬉しそうな…見ているこっちを煽り、不安定にさせる笑顔だ。
汗で額に張り付いた前髪を払ってやる。
「いいのか?」
「うん……ずっと…」
こうして欲しかったの。
その言葉を聞きたくなくて、俺はnameに強引な口付けをする。
好きだけど。好きだけど、こんなことはしたくなかった。
唇を離せば、nameと目が合う。
―――どうしてそんな、複雑な表情をする?
胸が、締め付けられる。
「好きだよ、ブチャラティ」
「……俺もだ、name」
そんな、顔…しないでくれ。
嬉し涙だろう。nameの頬を伝った涙を指先で拭いてやり、抱きしめる。
折れてしまいそうなほど、華奢な体。
nameは本望だとしても、俺はnameを汚したくない。
でも、もう後戻りなんて出来ない。
ここで行為を中断すれば、nameは間違いなく傷つく。
俺は、nameの膝裏を持ち上げ、肩にかける。
自分自身をnameの秘部にあてがう。そこは、ふれあった場所が溶けてしまうんじゃないかと思うほど熱く、湿っていた。
……なかなか入っていかない。
「……name」
「っ……? な、に?」
「処女、なのか?」
その問いに、nameは「気にしないで」と答えた。
気にもする。
一瞬、処女を理由に行為を中断しようと思った。でも、nameなら俺のために他の男に抱かれてくるかもしれない。
それは、嫌だ。
nameが好きな男に抱かれるのはさして問題じゃない。俺のために―――俺とセックスをするために、抱かれる、というのは耐え難い。
一瞬の戸惑いの後、俺は挿入を再開する。
狭い秘部と、苦悶の表情を浮かべるnameに対し、もう罪悪感しかない。
こんなこと、していていいのだろうか?
でも、nameを傷つけないためには、nameの笑顔を守るためには、こうするしかない。
すべて、nameと俺の愛情の違いから目を背けていた、自分のせいだ。
「あっ……うう…」
「力を抜くんだ…name」
シーツを握るnameの手に、より力が入る。
ようやく、俺の先端がnameの最奥に到達した。
…やってしまった。汚してしまった。
いくら後悔しても、快感は関係なくやってくる。それがどうしても憎くて、悲しくて、胸を締め付ける。
好きな女と繋がれることは、幸せなはずなのに。
どうしても、俺は、禁忌を破ってしまったような、聖域を汚してしまったような、そんな感情ばかり抱いてしまう。
「う、ごいて…いいよ」
苦しそうに声を出すname。その言葉に従い、ゆっくりと腰を引いた。
それだけなのに、気持ちよくて、今すぐにも射精したくなる。
出し入れを繰り返すうちに、nameの反応が艶やかなモノに変わっていく。
相変わらず苦しそうなのに変わりはないが、どことなく官能的な息遣いで、漏れる声も色をふくんできた。
「んあっ……あ、…はっ…」
nameの声に、脳が痺れる。
迫ってくる射精感に耐えながら、nameを揺さぶる。
後悔の念は消えないが、体はどうしても本能に忠実なようだ。腰が、止まらない。
nameの声や表情に、理性が削られる。
―――限界だ。
俺は、なけなしの理性を稼働させ、nameの中から自分を引き抜いた。
そして、白いnameの腹に精液を放つ。
nameは腕で目元を隠しながら、肩で息をしていた。
その腕を引きはがし、nameの顔を見つめる。
「ごめんなさい」
「………謝らないでくれ」
「私…自分勝手で……こんなこと…」
「…name」
「ブチャラティは、望んでなかったのに」
「分かったから……」
「きらいに、ならないで」
「分かってる。だから…」
泣くんじゃない。嫌いになる訳がない。だって俺は―――。
俺は………。
〇
…なぁ。
どうして俺たちは、こうも噛み合わないんだろうな。
お互いを愛しているはずなのに。
俺は、お前を大切にしすぎたんだ、きっと。
でも、宝物を汚したくない気持ちも…わかるだろ?
なぁ、name…。
泣きつかれて寝てしまったnameに、問いかけても、答えは返ってこない。
nameが上半身を起こし、俺の頬をなでる。
その顔は、寂しそうな嬉しそうな…見ているこっちを煽り、不安定にさせる笑顔だ。
汗で額に張り付いた前髪を払ってやる。
「いいのか?」
「うん……ずっと…」
こうして欲しかったの。
その言葉を聞きたくなくて、俺はnameに強引な口付けをする。
好きだけど。好きだけど、こんなことはしたくなかった。
唇を離せば、nameと目が合う。
―――どうしてそんな、複雑な表情をする?
胸が、締め付けられる。
「好きだよ、ブチャラティ」
「……俺もだ、name」
そんな、顔…しないでくれ。
嬉し涙だろう。nameの頬を伝った涙を指先で拭いてやり、抱きしめる。
折れてしまいそうなほど、華奢な体。
nameは本望だとしても、俺はnameを汚したくない。
でも、もう後戻りなんて出来ない。
ここで行為を中断すれば、nameは間違いなく傷つく。
俺は、nameの膝裏を持ち上げ、肩にかける。
自分自身をnameの秘部にあてがう。そこは、ふれあった場所が溶けてしまうんじゃないかと思うほど熱く、湿っていた。
……なかなか入っていかない。
「……name」
「っ……? な、に?」
「処女、なのか?」
その問いに、nameは「気にしないで」と答えた。
気にもする。
一瞬、処女を理由に行為を中断しようと思った。でも、nameなら俺のために他の男に抱かれてくるかもしれない。
それは、嫌だ。
nameが好きな男に抱かれるのはさして問題じゃない。俺のために―――俺とセックスをするために、抱かれる、というのは耐え難い。
一瞬の戸惑いの後、俺は挿入を再開する。
狭い秘部と、苦悶の表情を浮かべるnameに対し、もう罪悪感しかない。
こんなこと、していていいのだろうか?
でも、nameを傷つけないためには、nameの笑顔を守るためには、こうするしかない。
すべて、nameと俺の愛情の違いから目を背けていた、自分のせいだ。
「あっ……うう…」
「力を抜くんだ…name」
シーツを握るnameの手に、より力が入る。
ようやく、俺の先端がnameの最奥に到達した。
…やってしまった。汚してしまった。
いくら後悔しても、快感は関係なくやってくる。それがどうしても憎くて、悲しくて、胸を締め付ける。
好きな女と繋がれることは、幸せなはずなのに。
どうしても、俺は、禁忌を破ってしまったような、聖域を汚してしまったような、そんな感情ばかり抱いてしまう。
「う、ごいて…いいよ」
苦しそうに声を出すname。その言葉に従い、ゆっくりと腰を引いた。
それだけなのに、気持ちよくて、今すぐにも射精したくなる。
出し入れを繰り返すうちに、nameの反応が艶やかなモノに変わっていく。
相変わらず苦しそうなのに変わりはないが、どことなく官能的な息遣いで、漏れる声も色をふくんできた。
「んあっ……あ、…はっ…」
nameの声に、脳が痺れる。
迫ってくる射精感に耐えながら、nameを揺さぶる。
後悔の念は消えないが、体はどうしても本能に忠実なようだ。腰が、止まらない。
nameの声や表情に、理性が削られる。
―――限界だ。
俺は、なけなしの理性を稼働させ、nameの中から自分を引き抜いた。
そして、白いnameの腹に精液を放つ。
nameは腕で目元を隠しながら、肩で息をしていた。
その腕を引きはがし、nameの顔を見つめる。
「ごめんなさい」
「………謝らないでくれ」
「私…自分勝手で……こんなこと…」
「…name」
「ブチャラティは、望んでなかったのに」
「分かったから……」
「きらいに、ならないで」
「分かってる。だから…」
泣くんじゃない。嫌いになる訳がない。だって俺は―――。
俺は………。
〇
…なぁ。
どうして俺たちは、こうも噛み合わないんだろうな。
お互いを愛しているはずなのに。
俺は、お前を大切にしすぎたんだ、きっと。
でも、宝物を汚したくない気持ちも…わかるだろ?
なぁ、name…。
泣きつかれて寝てしまったnameに、問いかけても、答えは返ってこない。