(ブチャラティ裏夢)
「抱いてよ」
…どうしてこうなったのか。
俺は、nameを見上げて、ため息をつく。
nameは真剣な表情から、先程の言葉は冗談なんかではない、と分かる。
俺に好意を抱いているのは前々から知っていた。でも、俺は、その気持ちから逃げていた。
その報いが今、こうして訪れている…とでも言うのだろうか。
nameが顔を近づけてくる。
真っ黒な、今にも泣き出しそうな瞳。
拒否、しなければ。
頭では分かっている。けれど、どうしても体を動かせない。指先すら動かない。
「ねぇ、ブチャラティ」
かすれた声。熱い息。潤んだ瞳。
鼻の触れ合う距離で、もう一度囁かれる。
「お願い」
………。泣くなよ、お願いだから。
ようやく体が動いたと思ったら。
俺は、nameを押しのけずに、むしろ抱きしめていた。
泣くなよ、泣き止んでくれ。―――お願いだから…。
俺は、お前の涙に、弱いんだ。
nameとバーに出かけて、それで、酔ったnameを家に送り届けて。
駄々をこねるnameをベッドまで運んだ、と思った矢先、俺の腕は強い力で引っ張られた。
普段ならば、その手を振り払う余裕も、体勢を維持する余裕もあった。けれど、俺はろくに抵抗もできず、nameの下に組み敷かれる形になってしまった。
それで、こうして今、俺とnameはベッドの上で情事に耽っているのだが……。
―――正直、心が痛い。
自分の愛撫に、異常なまでに応えてくれるname。
そんなnameの反応を見て、熱くなっていく自分。
何もかもがおかしい。さっきまでは。昨日までは、こんなんじゃなかった。
自分の体とは裏腹に、ゆっくりと沈んでいく心。
罪悪感のような、背徳感のような。とにかくそう言ったもやもやが、俺の心をつかんで闇へと引きずり込んでいく。
自分は今、家族の様に愛し、守りたいと思っていた女性を、性欲の対象にしているんだ。
俺がnameに向ける愛情と、nameが俺に向ける愛情。
噛み合っていれば、なんら問題なかった。
でも、それは元から噛み合ってなくて、居心地の良さからその不具合を暗黙した結果が、これだ。
当然の結果…。しかし、どうしたら、いいのだろうか。
そんな、具体性のない疑問が脳内を駆けるが、俺の体は一向に落ち着かないでいた。
「あっ…ん……」
「………」
色っぽい、nameの声。それにすら、反応を示す俺。
もう、どうしようもない。…どうしようも。
柔らかいnameの肉体に舌を這わせて、汗を舐めとる。
nameの、味しかしない。混じりっけのない、ただの汗。
焦りや嘘や、そういった類のもので分泌されるのではなく、ただ火照った体から出る、生理的な汗。
nameの気持ちが真実だとしても。これは間違っていることではないのですか?
彼女を情欲の対象として、見ることは。
「もっと……してよ…」
「………ああ」
胸のラインを舌でなぞり、へそを通過して、下半身へ向かう。
女の臭いが鼻につくそこを指で割り開いて、舌先で陰核を刺激すれば、可哀想なほど切羽詰った声がnameの口から漏れる。
正直、止めたいと思う反面、このまま最後までしたいとも思う。
その矛盾が、俺の心を締め付けて、壊死させていくようだ。
nameの手が、俺の髪の毛を乱す。その手を、自分の手で包み、指を絡めとる。
耳には、粘着質な水音と、nameの嬌声しか入らない。
「抱いてよ」
…どうしてこうなったのか。
俺は、nameを見上げて、ため息をつく。
nameは真剣な表情から、先程の言葉は冗談なんかではない、と分かる。
俺に好意を抱いているのは前々から知っていた。でも、俺は、その気持ちから逃げていた。
その報いが今、こうして訪れている…とでも言うのだろうか。
nameが顔を近づけてくる。
真っ黒な、今にも泣き出しそうな瞳。
拒否、しなければ。
頭では分かっている。けれど、どうしても体を動かせない。指先すら動かない。
「ねぇ、ブチャラティ」
かすれた声。熱い息。潤んだ瞳。
鼻の触れ合う距離で、もう一度囁かれる。
「お願い」
………。泣くなよ、お願いだから。
ようやく体が動いたと思ったら。
俺は、nameを押しのけずに、むしろ抱きしめていた。
泣くなよ、泣き止んでくれ。―――お願いだから…。
俺は、お前の涙に、弱いんだ。
nameとバーに出かけて、それで、酔ったnameを家に送り届けて。
駄々をこねるnameをベッドまで運んだ、と思った矢先、俺の腕は強い力で引っ張られた。
普段ならば、その手を振り払う余裕も、体勢を維持する余裕もあった。けれど、俺はろくに抵抗もできず、nameの下に組み敷かれる形になってしまった。
それで、こうして今、俺とnameはベッドの上で情事に耽っているのだが……。
―――正直、心が痛い。
自分の愛撫に、異常なまでに応えてくれるname。
そんなnameの反応を見て、熱くなっていく自分。
何もかもがおかしい。さっきまでは。昨日までは、こんなんじゃなかった。
自分の体とは裏腹に、ゆっくりと沈んでいく心。
罪悪感のような、背徳感のような。とにかくそう言ったもやもやが、俺の心をつかんで闇へと引きずり込んでいく。
自分は今、家族の様に愛し、守りたいと思っていた女性を、性欲の対象にしているんだ。
俺がnameに向ける愛情と、nameが俺に向ける愛情。
噛み合っていれば、なんら問題なかった。
でも、それは元から噛み合ってなくて、居心地の良さからその不具合を暗黙した結果が、これだ。
当然の結果…。しかし、どうしたら、いいのだろうか。
そんな、具体性のない疑問が脳内を駆けるが、俺の体は一向に落ち着かないでいた。
「あっ…ん……」
「………」
色っぽい、nameの声。それにすら、反応を示す俺。
もう、どうしようもない。…どうしようも。
柔らかいnameの肉体に舌を這わせて、汗を舐めとる。
nameの、味しかしない。混じりっけのない、ただの汗。
焦りや嘘や、そういった類のもので分泌されるのではなく、ただ火照った体から出る、生理的な汗。
nameの気持ちが真実だとしても。これは間違っていることではないのですか?
彼女を情欲の対象として、見ることは。
「もっと……してよ…」
「………ああ」
胸のラインを舌でなぞり、へそを通過して、下半身へ向かう。
女の臭いが鼻につくそこを指で割り開いて、舌先で陰核を刺激すれば、可哀想なほど切羽詰った声がnameの口から漏れる。
正直、止めたいと思う反面、このまま最後までしたいとも思う。
その矛盾が、俺の心を締め付けて、壊死させていくようだ。
nameの手が、俺の髪の毛を乱す。その手を、自分の手で包み、指を絡めとる。
耳には、粘着質な水音と、nameの嬌声しか入らない。