「なまえ、おはようさん」
「お、おはよう」
隣の席のなまえに挨拶すれば急に顔を真っ赤にした。んな赤くなられたらこっちまで恥ずかしいナリ。
「昨日のこと思い出して顔真っ赤じゃけど」
「ううう、うるさい」
ボカボカと軽く叩かれた。でも今はちゃんとこれがなまえの愛だってよくわかる。そう思うと、思わず顔が緩んだ。
「教室でいちゃつくんじゃねぇよ」
「あ、ブンちゃん」
ふてくされたように俺の前にブンちゃんが座った。そいやブンちゃんもなまえのこと…
「仁王」
「ん?」
「なまえ泣かせたら許さねぇから」
強い眼差しで言われた。でもその視線でブンちゃんの言いたいことは俺に伝わった。
「ふ、心配無用じゃ」
「んな余裕なら容赦はいらねぇよな」
ニヤリと笑うブンちゃん。宣戦布告って奴か。
「上等じゃよ。好きにしんしゃい」
「そゆことだ、なまえ。これからシクヨロ」
「えっ」
かっこよく決めおって。ま、これはこれでブンちゃんなりに俺となまえを認めてくれちょるってことじゃな。
「仁王、今のどういう意味?」
「気にしなさんな」
ポンポンとなまえの頭を撫でて、俺は席に着いた。
*
「やぁ、仁王となまえ」
授業後、部活に行く前に廊下でなまえと話していると魔王さまが近づいてきた。
「セックスは出来た?」
どストレート過ぎる。なまえの顔がモロひきつってるナリ。さすが幸村。
「ま、まぁな」
「ふぅん。よかったね」
不気味な笑みが怖い…。じゃが、昨日は幸村に借りができたしな。
「幸村、昨日はすまんかったな。ありが「まぁ?なまえと付き合えたのもなまえとセックス出来たのも全部俺のおかげだよね。あれ、違う?」
「いや、それは…」
「え、違うって言いたいの?それはなしでしょー。……またちんこ無くされたい?」
最後の一言が脳に響いて無意識に首を横にブンブン振っていた。もうほんと勘弁。
「あのね、仁王。俺が君におっぱい付けたりちんこ無くしたりなまえにまでちんこつけたりしたのにはちゃんと理由があるんだよ?」
「え…」
ただの暇つぶしじゃなかったのか?理由ってなんぜよ。
「まぁ、初めに君におっぱいを付けたのは君がおっぱい欲しいって思ってたからなんとなく望みを叶えてあげたんだ」
ちょっと待て、幸村におっぱい欲しいなんて一度も言った覚えはないんじゃが。
「次になまえが仁王に気があることは知ってたからちょっと二人をくっ付けたくなってね」
「え、なんで知ってるの…?」
「なまえにちんこ付けたら真っ先に仁王に相談するって分かってたよ。まぁ、まさかなまえが俺を殴るってことは想定外だったけど、」
「無視ですか…」
淡々と話す幸村。つか、なまえが俺を気になっちょること知っとったなら教えて欲しかったナリ。
「はい、二人の距離は性的相談によって縮まり見事付き合えました〜ってね」
驚きのあまり俺もなまえも固まってしまった。だって普通に前は暇潰しにしてやったまでさ、的な感じだったじゃん。まさかそんな幸村の思いやりがあったなんて信じられん。
「でも、待って。あたしたちをくっつけるためにどうして仁王のアレまで無くす必要があったの?」
そうじゃ。よく考えたら俺のちんこを消す必要はなかったはず。
「あぁ。前にもそれは言ったじゃない。赤也に伝えなかった罰で、あれは俺が仁王にムカついたからだよ」
ニッコリと嫌味たっぷりに微笑む幸村はやっぱし幸村じゃ。
「結局はなまえとの愛が深まったからいいじゃない?ね?」
幸村にそう言われて俺となまえは顔を見合わせた。
「まぁ結果的に言えばそうじゃな」
「うん。ちょっと納得」
なんだか無理に納得させられた気もするが、素直に受け止めることにしよう。きっとなまえもそう思っちょる。
「仁王、君はまだおっぱい欲しいと思う?」
改まった様子で幸村は俺に質問をした。
そんな質問…今の俺には不用ナリ。
「いや、思わん。俺は男でおらんといかん理由があるからな」
なまえを見てそう言えばなまえは少し照れた。
「よかった。もう俺がすることもないみたいだね」
「あぁ。ありがとう、幸村」
「うん。じゃあ俺は行くよ」
ニッコリと笑って幸村はその場を去った。
「なんか、全部の事件は幸村くんのせいのはずなのに結局は幸村くんのおかげで上手くいった感じだねー」
「あいつは悪魔と天使じゃよ」
後ろ姿の幸村を見ていたら天使のはねと悪魔の尻尾が生えているように見えた。幻覚もいいとこじゃ。
「じゃ俺もそろそろ部活行くぜよ」
「うん。頑張ってね」
ちゅっとキスをして俺は幸村の通った道に向かって歩き出した。
*
次の日。目を覚めれば事件が起こる前と何も変わらない朝だった。
「おっぱいも付いとらんし、ちんこもある」
確認を済ませて制服に着替える。
「いってくるぜよ」
学校に着いてなまえに朝のあいさつとほっぺにちゅーをしたらブンちゃんもなまえのほっぺにちゅーをしようとしたから頭を叩いた。
「容赦しねーって言っただろぃ」
舌を出してべーとするブンちゃん。危なっかしくなってしまった。
だけど、仲いいことには変わりなくて普通に笑いあったりした。
「なんかいろいろあったのが嘘みたいじゃな」
「そうだね」
なまえと教室でまったりとしていた。その時だった…。
「き…、キエエェエェエエイ!!」
まさに断末魔。他のクラスからの叫びが俺のクラスにも届いた。しかもこの叫びはあいつしかおらん。
「真田じゃな…」
嫌な予感がした。やめてくれ。
「どうしたんじゃ?」
真田のクラスに行けば野次馬がたくさん来ていた。
「に、に、仁王ぉぉおぉ!!」
「ひっ…」
見ればあの真田が泣いている。
「俺の…俺の大事なものがあぁあぁああ!!」
床にへたれこみ頭を抱える真田。シュールな光景に少し笑えて思わずこらえた。
「ねぇ、仁王…」
「ん?」
なまえに呼ばれてなまえの指差す方を見れば、野次馬に紛れてけらけらと笑う魔王の姿があった。
「いや〜、いい退屈しのぎになった。次はどうしようかな?」
事件はまだ終わらない。
お し ま い !
おっぱい物語完結です!(笑)こんな終わり方でいいのかw終わらないとか言いつつ終わっていいのかw
しかし、これでおしまいなのです(´・ω・`)本当は最終回は1月前にupするはずだったのに途中で消えてしまい、書いていた文章を思い出せず投げ出してしまったのです←。でも拍手でみなさんから最終回楽しみにしてますという言葉をたくさん頂き、やっと書き終えることが出来ました。うれしかー!(笑)
ということで、約1年間おっぱい物語を愛し続けてくださったみなさま!ありがとうございました!これからも愛し続けてやって下さい!
おっぱい物語は永遠だあぁぁぁあ!!←
2011.2.20
(修正2011.5.18)