ドスドスと廊下に地響きが鳴る。廊下にいる奴らは何事かと視線を集める。
「なまえ、ちょ…」
「幸村精市ー!!」
バン!と勢いよく三年C組のドアを開けばやっぱり教室にいる奴らも一気に視線を集めた。
「幸村精市は?何処にいんのよ」
「お、落ち着け。なまえ、な?」
「あんた知らない!?」
掴みかかられた男子生徒がなまえに胸ぐらを激しく揺らされて頭をぐわんぐわんさせられてる。見てるだけで頭に血が上りそう…
「や、やめてくださ…っ」
「やめんか。おい!なまえ!」
「あ、…」
なまえがぱっと手を離したらそいつは力が抜けたように倒れた。
「どどど、どうしよう仁王!死んじゃったよー!」
「死んでないから、落ち着け!」
「こ、こんなことになったのも全部幸村くんのせいよ。そうよ全部幸村くんのせいにしてやる!」
「いったい何の騒ぎだい」
ぞぞぞっと背中になにかが走った。
「幸村!」
「で、出たな!幸村精市!」
幸村にビシッと向けられた人差し指を俺は叩き落とした。だって人に指を差したらいけないって小学校で習ったんだもん。
「ゆ、幸村。おまんに話があってな。ちょっとええ?」
「なんだい?」
「なんだいじゃないわよ!この悪魔!」
またビシッと幸村に向けられた人差し指を俺は叩き落とした。
「指差すの止めんしゃい」
痛っい〜!と言うなまえに小声でそう言えばふてくされたようにちぇっとそっぽを向いた。
「聞きたいことがあるんじゃが、昨日俺の「仁王のちんこ無くしたでしょ!?」
周りが一瞬でこっちを向いた。
「知ってるんだからね!幸村くんがまた呪いをかけたことなんて!あんたのせいで…く〜っ!」
「エッチできなかった?」
「そうよ!ビンビンの仁王が消えちゃったんだからね!」
「それは残念」
「慰謝料を請求するわ」
「俺に勝てるとでも?」
「上等!」
「待て待て待て。話がおかしい方向に…」
「仁王のちんこビンビンだってよ…」
「つかなまえと仁王って…」
コソコソと嫌な話が聞こえた。周りの視線が俺の背中に突き刺さる…。
「場所変えんか?ここ居ずらいナリ…」
「ふふ。いい気味じゃない」
いい気味って…最近幸村は俺に対してひどい気がするんじゃが。
「元はと言えば仁王が悪いんだよ?俺の命令を聞かなかったんだから」
「は?命令?」
「昨日赤也に伝言伝えなかっただろ」
にっこりと微笑む幸村を見て思い出した。ブンちゃんには伝えたが赤也を忘れていた。
「赤也かわいそうにね。部活あると思ってみんなが来るまで、ずーっと一人でサーブの練習をしていたんだよ。二時間も」
「うっ…」
「それなのに仁王は大好きななまえといやらしいことばっかして。あまりにも赤也がかわいそうだから俺が変わりにお仕置きしたんだ。フフフっ、ざまぁみろ」
最後の発言は聞かなかったことにしよう。うん。
「仁王」
「なんじゃなまえっ…ぐひっっっ!!!!」
横におったなまえの足が俺の股間にダイレクトアタック。ちんこないけど、これはやばい…
「結局は仁王が悪いんじゃない!バカアホ変態!!一回死ね!」
ピクピクと倒れている俺に容赦なくなまえは蹴りを入れてくる。
「フハハハっ!いい眺めだな〜」
何がいい眺めじゃ。この悪魔!めっちゃニコニコな笑顔で人を見下すとか最低よ!
「誰が最低だって?一番最低なのはヤることしか頭にない君だろ?」
「…はい。そのとおりです」
全部お見通しなこいつには無駄な抵抗だった。
とりあえず早くマイちんこを返してください。
久しぶりの更新です
終わり方がカオス。
2010.9.1
(修正2011.5.18)