「どうしたらいいかな?」
あれから俺となまえは二人でこの怪奇現象について考えていた。
「柳にでも相談したらどうじゃ?」
「イヤ。他の人に言いたくない」
絶対イヤ、と付け足すなまえ。なんじゃ、俺にしか相談しないってことはやっぱり俺のことが…。
「違うからね。」
「は?」
「顔に出てる。それ、違うから」
「おまんは幸村か…」
なまえに少し怖さを感じた。
「そういえば柳は、心理的なものからとか言ってたのぉ」
「あたし、仁王みたいに欲しいとか願ってないんだけど」
「実は願って…「願ってない。」
強く言われて雅治くん、びびっちゃったぜよ。
「なまえちゃん怖いナリ」
「うるさい」
キッときつく睨まれた。ほら、やっぱり怖いぜよ!
「ていうか、」
「ん?」
「ブラブラしてて…気持ち悪い〜…」
気難しい顔をしながらなまえはもじもじしている。まぁ、確かにブラブラしとるな。
「いっそ切っちゃうとか?」
「バカっ!そんなことしたら血まみれよ!!」
「あぁ、痛い!!」
「自分で言ったくせに、想像して痛がんな」
「うわわわわー」
「股間、押さえんな!」
だって、絶対死ぬぜよ!自分で言ったことが恐ろしくなった。
「もう、一向に解決できないよ」
「まぁ、気長に明日を待てばいいじゃろ」
「明日になっても消えなかったら?」
「そん時は…」
不安そうな顔のなまえ。
…そんな顔、お前には似合わん。
「そん時は、俺がなまえを嫁にもらっちゃる。」
「仁王…」
フッ、決まったナリ。
「遠慮しときます」
「ななっ、なんぜよ!?」
「だって仁王と結婚なんかしちゃったら、毎日腰痛そうだし…」
「そりゃ、子作りに励むのは当たり前じゃき」
「ていうか、子供よりも仁王の方が世話大変そう」
「そんなことないない」
まぁ、結婚してもイチャこきラブラブが俺の理想じゃけどな。
「仁王と話してると話がズレてくんですけど…」
「楽しいじゃろ?」
「まぁ、楽しくなくはないかな」
「ピヨっ。それは告白か?」
「違います」
いつになったら俺となまえは結ばれるのか。先は長そうじゃ。
「なぁ、なまえ。」
「なに?また変な話題?」
「違う〜」
「キモっ。じゃあなに」
「俺、思ったんじゃが…」
「?」
「この現象、呪いとかそっち系じゃないかのぉ」
「えっ!?」
「もうそれ以外に考えられんナリ」
「だとしたら、誰が…」
そんなんあいつ…いや、あのお方しかおらんぜよ。
「幸村じゃ。」
2010.4.4
(修正2011.5.18)