「あのね…仁王」
「ん、」
「あたしね…。!」
フワッとなまえを抱き締めた。
「なんも言わんでええ。俺もじゃき」
「ちょっと、にお…」
「かわええのぉ…。なまえ」
愛おしくて我慢できんっ。俺はなまえの首筋に唇を添えて軽く吸った。
「ぁ、やめっ…」
「んな、恥ずかしがりなさんな。気持ちよぉしちゃるけ…」
「やめてって、ばぁ…」
「ククッ。真っ赤じゃな」
「…やめろって…言ってんでしょー!!」
「ぐふっ!?」
なまえにきんたまを蹴られた。急激な痛みが走ってその場に倒れこむ。
これは、やばいぜよ……。
「うぱぱぱっ。……」
「うそっ…仁王?…白目向いてる…」
あぁ…、人影が見える。あれは神か?いや、天使の輪っかがついた幸村じゃ。幸村がアハハハと笑みを浮かべて近づいてくる。俺は死ぬんかの…。
「仁王、しっかりして!!」
「なまえっ…」
目の前になまえがおった。どうやら俺は死ななかったらしい。よかったナリ…。
「なまえ…、男のきんたまは蹴ったらいかんぜよ…」
「ごめんなさい。でも、元はと言えば仁王が悪いじゃん」
「は?」
「は、じゃないわよ。人のこと襲おうとしたくせに」
「だって、なまえが誘ったから」
「誘ってないし!あたしは相談があって…、」
なんだ、俺の早とちりか。これはこれで恥ずかしい。
「ちと、回復するまで待ってくれんか…まだ今は何にも頭に入らん…」
「わかった」
それから十分後。
「よし!オッケーじゃ」
「なかなか時間かかるんだね」
「当たり前じゃき。まだ足りんくらいじゃ」
男はやっぱり大変じゃ。もし、もうちょっとなまえの蹴りが強かったらと思うと、ゾッとした。
「で、どうしたんじゃ?」
「あのね…こんなこと仁王にしか言えないんだけど…」
こんなもじもじしたのが告白じゃないなら、なんというんだ。まさか恋の相談か?
「仁王さ…昨日までおっぱいついてたじゃない?」
「おう。」
「一日でほんとに消えたの?」
「あぁ、この通りおっぱいは無くなってしまったナリ」
なまえの手を俺の胸において、ほれと言ってみせる。
「ほんとなんだ」
「なんじゃ?それがどうかしたんか?」
「えっと…その、」
顔を真っ赤にさせたなまえ。気になるじゃろ。早く言わんか。
少しイライラし出したところでなまえが決心したような表情をした。
「あたし…、おちんちんがついちゃったの…」
…………。
…ええぇえぇぇーっ!?
「ままままっ、まじか!?」
「うん…。」
そんな、信じられん。つか、信じたくない。まさかなまえが男になってしまうとは…
「しょ、証拠を…」
「見せれるわけないでしょ!」
いきなりビンタされた。痛い…。
「あたしすっごい困ってるんだよ…。こんなこと初めてだし」
「俺も初めてじゃったけど、楽しかったぜよ」
「変態と一緒にしないで。」
それはそれでひどいナリ。でも、なまえにちんこがついとぉなんて想像できん。
「ちょっと失礼。」
「えっ、にお…」
俺はなまえを机に押し倒した。
「やめてよ!また蹴るよ!?」
「同じ手は二度くわん」
片手でなまえの両手を拘束して暴れないようにした。だって確かめな、わからんことだってあるじゃろ?
「っ…。」
なまえの股間をやわやわと触ると女にはない凸を感じた。ほんとのようじゃ。
「ククッ。感じとるんか?」
「感じてないし、離して!」
「悪い悪い。でもそのちんこ、そのままだとかわいそうじゃよ?」
「別にいいの。自力で抑えるから」
むきになって、キッとなまえがこちらを睨む。それは俺を煽っとるってわかっちょるんか。
「とりあえず、一緒に解決方法考えてよ!このまま一日で消えない可能性もゼロじゃないんだから…」
怒ってるかと思ったら急にしょげよった。喜怒哀楽が激しい奴じゃ。
「わかったから、泣きそうな顔しなさんな」
ここで俺が優しくすればなまえも体を許すかもしれん。
慰めるよう頭に手をおこうとしたらなまえに触らないで、と怒られた。
2010.3.26
(修正2011.5.18)