「ふあぁ〜、あ。」
大きなあくびが出て眠たい体を起こす。今日も学校か…。憂鬱な気分でとりあえずシャワーを浴びようと思って風呂場に行く。脱衣場で服を脱ぐと違和感を感じた。
ん…?
「あ…れ?お、おっぱいがない!?」
見れば昨日服を脱いだ瞬間ぷるんと揺れた大きなおっぱいが俺の胸から消えていた。な、なんでやねん!?思わぬ驚きに関西弁になった。しかし手当たり次第、胸を触ったがやはり平ら。
「はぁ…萎えるナリ…」
夢じゃないかと思って乳首をつねるが、痛い。どうやら夢じゃないらしい。もしかして昨日の出来事自体が夢なんかとちょっと思って風呂に入った。
「たぷたぷのぷにぷに〜…」
胸を叩けば、パチンっと痛い音が風呂場に響いて悶えた。かなり今のは痛かったナリ。別にMとか言うわけでなくて、ここにおっぱいがあったら弾力のおかげで痛くなかっただろうってことを確かめたかったからで…。
「ぶくぶくぶく…」
あまりのショックに拗ねた。はっ、なんとでも言え。どうせ俺は変態じゃ。
風呂を出て髪を乾かして制服に着替えて、俺はとりあえず学校に行った。
「はぁ〜…だるいのぉ。やる気出ん」
「おっす。仁王」
「ブンちゃん…」
涙目で顔を上げればブンちゃんがキモっ、とか言ってきた。
ひどい…。
「どしたよ?」
「これ…」
自分の胸を指差すと、ブンちゃんが昨日との変化にすぐ気がついた。
「おお!よかったじゃねぇか。邪魔なものがなくなってよ」
「いい訳ないじゃろ!あぁ、俺のおっぱい…」
「んな萎えんなって」
ポンッと背中をたたかれて励まされた。そんなことせんでええから俺に乳をくれ。もう今日はずっと寝るナリ。机に伏せていたらいつの間にかブンちゃんはクラスの女子にお菓子をねだりに行っていた。ちっ、ブタめ。
ガタっと音がして隣を見ればなまえがおった。
「なまえ〜…」
「…なっ、なに」
いつもと様子が違うなまえが少し気になった。が、今はそれどころじゃない。
「俺のおっぱいがぁ〜…」
「ちょっ、見せなくていいから!」
わざわざ分かりやすいようにボタンをとってシャツをはだけさせようとしたらなまえに叩かれた。親切しようとしたんに、ひどい…。
「なくなったんだ。よかったじゃん」
「なまえもブタと一緒かよ」
「え?標準語?」
「あぁ、神様。もう一度僕におっぱいを〜。もう階段の下から女子のスカートの中を覗いたりはしません!だからもう一度…!」
「最低…」
健全な中学生なんてそんなもんじゃろ。かわいいほうじゃよ。
「つか、なまえなんかあったんか?」
「なっ、なんで?」
「いつもと様子が違うぜよ。」
「ななな、なんでもないよ」
「お前さん嘘つくの下手すぎるナリ」
「べべべ別に嘘なんてついてないし」
「じゃあ、どうしてそんなにもじもじしとるんじゃ?」
「…っ」
なまえは顔を真っ赤にさせた。汗まで垂れちょる。
「におっ…ちょっと来て?」
「お、おお」
腕を引っ張られて教室から連れ出された。そん時ちょうどブンちゃんと目があって舌を出して挑発をしたらブンちゃんはムッとした。ククッ。俺の勝ちじゃな。この様子だとなまえは俺に告白してくるに違いない。まぁ、俺のこと好きなら別にエッチなことしても構わんじゃろ。こんな展開になるならおっぱいなくなってよかったナリ。だってそうじゃろ?裸になって、生おっぱいを好きな女の子に見られたら男として恥ぜよ。
そして俺となまえは空き教室に入っていった。
2010.3.24
(修正2011.5.18)