もしもブン太の妹だったら〜
「お兄ちゃん!人のケーキ食べたでしょ!」 「うん。旨そうだったから」
しかも名前書いてなかったし。冷蔵庫にある食料は食い尽くすのが俺のモットーだし。
「楽しみにしてたのに。ひどいよー!」 「泣くなよ。ほら、飴やっから」 「イヤ。ケーキがいい」 「わがまま言わない」 「わがままなのはお兄ちゃんでしょー!?」
あー。うるさいうるさい。母ちゃん教育がなってねぇよ。
「お兄ちゃんのバカ、デーブっ!」 「デブじゃねぇ!筋肉だ!」 「いたっ!」
軽く頭を叩いたら、だんだん目がうるうるとなってきた。
やべっ…。
「うわぁああああぁん!!」 「うるせっ」
泣き出してしまった。あーあ、さすがに申し訳ない。
「悪かったよ。ケーキちゃんと買ってくるから、な?」 「ぐすっ…絶対だからね?」 「あぁ、絶対」 「やったー!」
すぐに泣き止んだ。ってことは嘘泣きか?自分の妹にしてやられた。クソっ。
「お前、そんな技どこで覚えたんだよ」 「お兄ちゃんを見てますから」
そうか。さすが俺の妹、って感心してる場合じゃねぇ。
「じゃあチーズケーキとガトーショコラとぉ、」 「おいおい、ちょっと待て」
何でだよ。俺は一つしか食っちゃいねぇだろぃ。なんでそんないろいろと注文すんだ。
「利子がつくんだよ。倍返し」 「ふざけんな」 「お兄ちゃんがもしされたらそうするでしょ」
図星だ。何も言い返せねぇ…。
「じゃあよろしくね!」 「お前、太るぞ?」 「お兄ちゃんとおんなじ体質。あたしは太らないよー」
なんだよ。ちょっと俺、妹に舐められすぎじゃね?
「はぁ、もっとかわいい妹がよかった」 「あたしももっと優しいお兄ちゃんがよかった」
うるせぇと再び頭を叩いたら、また泣き出した。もうその手にはのらねぇ。
「お母さーん!」 「え、」 「ちょっとブン太!お兄ちゃんなら妹泣かせちゃダメでしょ!」 「いってェッ!」
母ちゃんに殴られた。頭が痛い。怒る母ちゃんの後ろでニヤリと笑う妹を見て、俺は大人になったときのあいつが心底怖くなった。
弟たちは好きだが、やっぱ妹は怖い。
おわり
妹のが権力あって、弟たちにヘタレとか言われればいい(^q^)ww
2011.6.26 |