短編 | ナノ



なまえは暗い夜道を歩いていた。

「誰もいない」

いつもならバイトが終わって九時過ぎほどに歩くまだ人通りがあるこの道も、今日は店が混んでいたせいで遅くなってしまい、誰も通ってはいない。今はもう十一時前だ。

「怖いな…」

少し早歩きで歩くなまえ。少しでも早く家に帰りたくて近道で公園内を横切ろうとあまり外灯のついていない公園へと入った。

サクサク、土を蹴る足音が一つ。それは間違いなくなまえの足音だ。

「…」

サクサク…サクサク…

違和感を感じた。自分の足音。…以外にも足音がする。

サクサク…サクサク…

咄嗟に、誰かにつけられている!そうなまえは思い、さっきよりも足早に進む。

サクサク、サクサク

無意識にいつの間にか走っていたなまえ。怖い怖い!恐怖がなまえを包んだ。

「っ!!」

公園の出口にたどり着きそうになった時、何者かになまえは後ろから体を捕まれてしまった。

「ひっ…!」

腰に手を巻き付けられ口に手をあてられて、完全に身動きを封じられてしまった。離そうとしても強い力で締め付けられる。

なまえは怖くて体が硬直してしまった。

「…っ!?」

口を塞いでいた手がなまえの衣服の中に侵入してきた。これなら助けが呼べる!そう思いなまえは大きく息を吸った。…が、声が出ない。恐怖のせいで声にならないのだ。叫んでいるつもりでもそれは音にはならず、空気として口から抜ける。

なんで…どうして…。なまえの目から涙が溢れる。

「ふっ…、!」

侵入して来た手は好き放題に胸を揉みしごき、突起を摘まんで遊んでいる。

「ゃめ…っ!」

小さく掠れた声で拒絶の言葉を発するが止める気配はない。

「っ、!」

腰に巻かれた手も徐々に下の方に伸びてきてズボンのボタンとチャックを解いていく。

そこはダメ!なまえは自由のきく左手で下半身に伸びる手の甲を強く引っ掻いた。

「っ!」

男は小さく呻いたが、関係なしになまえのパンツの中に手を入れた。

「ぁ…!」

胸を弄られていたせいでなまえのソコは少し湿っていた。イヤだ…キモチワルイ!!触らないで!!

「はぁ…ぁ、ん…」

気持ちとは裏腹に体は素直に男の行為に悦んでいる。グチュグチュといやらしい音が静かな公園内に響く。

「ゃ、だ…ひくっ…ぁ」

泣きながらも何処か感じてしまう。男の指もすんなりとなまえのソコは受け入れてしまった。

「ぁ…、あぁ…ん」

一番感じるところを刺激され声が漏れる。胸の突起も強く摘ままれてより固くなった。

「んっふっ、ぁあ!」

ぐぽっくちゅくちゅ。卑猥な音になまえの体は興奮し、愛液が溢れた。

「はぁ…はぁ…」

男の変態的な荒い息がなまえの耳にかかり、ぞくりとさせる。

「んっ、ぁ…だ、め…!」

すごく気持ちよくなって絶頂が近づく。さらに指の出し入れが早くなり、なまえは立ったまま仰け反りになり達してしまった。

「なぁ、気持ちかった…?」

初めて男の声を聞いてビクリとイッた体が反応した。痴漢にイカされて気持ちは恐怖、怒り、悲しみで満ちていたが、本能はまだ足りないと言う。理性がダメ…ヤメテ…、そう言い聞かせる。

「欲しいやろ?コレ。」

男の硬くなったモノがなまえのお尻に当てられた。

「…ぅん」

理性が負けた。


「ぁあ…!はっ、んっ!」

なまえは木に手を前について甘い声を出した。男のモノがなまえのナカを激しく突く。

「はぁっ…ん」

後ろからくる刺激に脳がついていかない。グチュグチュグポッグポ。脳内にこだまする。

「また、イッ…ちゃう!」
「俺も…くっ!」

なまえが達し、ソコを締め付けると男もびくんびくんと白濁をなまえのお尻に吐き出した。なまえは一気に力が抜け倒れ込み意識を手放した。






「あ…れ…」

気がついて体を起こすとそこ自室のベッドの上だった。

「え、なんで…。え?」

状況が理解できず、あたふたと部屋を何度も見渡す。確かにバイトの帰りに痴漢に襲われ、最後までしてしまったはず。しかしここは間違いなくなまえの部屋だ。

「夢…」

なら自分はどれだけ変態なんだ…。複雑な気持ちになり、時計を見ると朝の八時だった。

「遅刻!」

焦り焦って学校の準備をして、朝ごはんも食べずに家を出た。

「おはよ、なまえ」
「お、おはよ!」

ギリギリ間に合ったなまえはクラスメイトにあいさつを交わし席につく。

「あ、光くん。おはよ」
「はよ」

隣の席の財前光にあいさつを交わすと、ふとなまえは財前の手に目がいった。

「その傷どうしたの?」
「ん?あぁ、コレか。猫に引っ掻かれてん」

財前の手の甲には痛々しい爪で引っ掻かれた跡があった。

「痛そうー」
「痛ないよ。別に」

何だか嬉しそうな財前を見てなまえは変なの、と思った。そして机についていた左手を見ると、中指の爪に血のかたまりがくい込んでいるのが見えた。

そしてもう一度財前を見ると、奴はニヤリと笑った。








夜道

(光く…)(なまえてやっぱり淫乱やったんやな)






光HAPPYBIRTHDAY\(^O^)/!!あんまり出演してないし変態になっちゃったけど、まぁいいか←


2011.7.21
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