短編 | ナノ



>>モモさまリクエスト



最近千歳の様子がおかしく感じるのは気のせいなのか。

「あれ、みきちゃん髪型変えたと?前ちゃりむぞらしか〜」
「ほんと?ありがとお」

おかしすぎる。他人の変化なんて気にするわけない千歳が、ましてや女の子の微妙な髪型の変化に気づくなんて。しかも、かわいいとかなんなのよ。あたしがいるにも関わらず満面の笑みで褒めちゃって…。

「あ、千歳くん。肩に何かついてる」
「ほんとやけん。ありがとね。あやちゃんは優しか」

だから、何でそんな褒めるのよ。あーっ!イライラしてきた。

「なまえ、帰ろう?」
「…うん」
「ん?どげんしたと?」
「別に…」

不貞腐れたように言えば、千歳の頭にはクエスチョンマークが浮かんでいた。

「はー、今日はいっちゃん寒かね」
「そだね」
「なんかなまえ、元気なか。やっぱ何かあったん?」

鈍感すぎる。なのにどうして髪型の変化には気づくのよ。わけわかんない。

「千歳が…」
「俺?」

言いかけたけど、やっぱり言うのを止めた。だってなんか、焼きもち妬いてるみたいで悔しかったから。

「何にも!」
「えー。言いかけはいかんばい。ちゃんと言うて」
「もういいの」

その内、元に戻る。そう思ったからあたしは何も言わないことにしたんだ。

でも二、三日経っても千歳の女の子絡みは止まなかった。ていうか、寧ろ増えていった気がする。いい加減あたしも我慢の限界だった。


「千歳、話があるんだけど…」
「なん?」
「ここじゃちょっと話しにくいから場所変えたい」
「わかった」

そう言って、あたしたちは使われてない空き教室に入った。ここなら言い合いだってケンカだって人の目を気にせずできる。端からケンカするつもりでいるのもどうかって話だけど…。

「なまえ?」
「…最近どうして女の子とそんなに話すの?」

いつもより低いトーンの声が響いて、沈黙になる。千歳は驚いた顔をしていた。

「そげん俺は話しよった?」
「…してた」
「…すまんばい」
「いやだ。許さない」

第一千歳は自覚してなくて、何で悪いかも理解してなさそう。そんなのを許したら絶対またおんなじことするに決まってる。

「ひょっとしてなまえ、妬いとう?」
「な、っ」

図星をつかれた。顔は赤くなって、必死に隠そうと口は動く。

「ば、バカじゃないの!あたしは怒ってるの!」
「なまえ、顔の真っ赤で説得力なかちゃ」
「ち、違うもん!」

何この展開。千歳のペースに巻き込まれちゃってるじゃない。

「なまえ、むぞらしか」
「ちょっと、あたしまだ許してない!離してよ!」

ギュッと抱き締められて、長身の千歳の胸にすっぽりとはまってしまう。

「なまえ、好いとう」

甘い言葉を言ったと思えば、次にはもう熱い口付けをされていた。

「んん、っ!」
「っ…、ん…」

いつも思う。マイペースでフワフワしてる千歳がこんなにも巧いキスをするなんてズルすぎる。

「はっ…はぁ、はぁ…」
「そん顔、ちかっぱしょしょるとよ。誘っちる?」
「バカッ…あ、っ」

いつの間にか服を脱がされてて淫らな姿にされていた。

「やだっ…ちと、せ!」
「嘘はいかんばい。こげんここは喜んどるよ」

ニヤリと笑う千歳に胸の突起を指で弾かれて、甘い息が漏れた。

「ふっ、…んん!」
「へへっ。よか声で鳴くと」

ダメだ。頭が快感でいっぱいになっちゃう。ある程度、下を慣らされたところで千歳の固く大きくなったものが入れられた。

「はぁっ!や、…おっきぃ」
「なまえ、力抜いて…っ」

痛いのは嫌だから、素直に千歳の言うことを聞いた。…あれ、あたし何でエッチしてるの…?

「なまえが、っ…妬いてくれる、なんて嬉しか…」
「だって…、千歳がっ、ん!」
「なまえ…も、俺…くっ!」
「ち、とせっ…ぁあ」

動きが激しくなって、より強い快感を求めるように千歳もあたしも動いた。頭がチカチカした時、あたしも千歳も達した。

「はぁっ…はぁあ」
「ふっ…はぁ…」

結局、千歳のペースで最後までしちゃった。あーっ、自分のばか…。

「なぁ、なまえ」
「なに…?」
「すまんたい。女の子のこつも今したこつも。それと…」
「それと…?」

罰が悪そうな顔をした千歳。

「なまえが嫉妬するよう…わざとしたばい」
「…。えーーー!?」

なに!え、わざと!?わざとだとおぉお!!

「な、なんでそんなこと…!」
「なまえが俺を好いとうって知りたかったけん」

呆れて言葉が出なかった。

「そんなこと、いくらでも言うのに…」
「え?」
「…千歳のこと好きだって、いっぱい言うのに」

千歳の首に腕を回して、眼を見つめながらギュッと抱きついた。

「なまえ…」
「もうそんなことのためにあんな風に女の子と喋んないで」
「うん。俺の好いとぉんはなまえだけばい」

まさか千歳がこんな小悪魔的なことするとは思わなかった。けどまぁ、結果解決ってことなのかな。

「で、なまえ。ほなこつ妬いとった?」
「…」








小悪魔彼氏

(千歳のバカッ。小悪魔。猫かぶり)
(うっ、すまんたい)
(…トトロ)
(ハハっ。なまえは世界一むぞらしか!)






― ― ― ― ― ― ―

モモさまリクエストの彼女に嫉妬させたい千歳です><!

だいぶ遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした!!口調が全くわからず、間違った方言を使っていたらすみません(*_*)

リクエストありがとうございました@


2011.10.24
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