今日到着した島の繁華街で新しい入浴剤を買った。とても香りがよかったから早速使ってみたくて、お昼間だったけどお風呂に入ることにした。
「やっぱり買って正解ね」
匂いを嗅ぐとすごく心が落ち着いた。最近海軍に追われっぱなしだったから疲れも取れそう。しかも今はアノ"うるさいそばかす君"がいない。
「一人って落ち着くなぁ」
ふぅと肩で息をしてからしばらく湯に浸かっていた。すると少し頭がボーッとしてきた。そろそろ出ようかな。
そう思って、湯船から立ち上がったその時だった。
「誰かいんのかァ?」
「…」
島へ買い出しに行ったはずのそばかす君、基エースが目の前に立っている。
「…キャァーーッ!!」
「うおーーっ!!」
二人の叫びが重なった。
「わ、わりぃ!なまえ!覗く気はなかったんだ!」
「エースのえっちー!!」
「ちょっ、聞けって!」
見られた!嫁入り前で誰にも晒したことのない裸を。しかもエースに!!
「ノックくらいしてよ!常識でしょ!?」
「まさかなまえだとは思わなかったからよ」
「マルコが入ってたとしてもノックはしなきゃダメ!」
あー!穴があったら潜り込みたい。どうしようもなく体が熱い。
「最低!変態!」
「だから、誰が入ってるかわかんなかったんだって」
「もういいから早く出てってよー!」
恥ずかしくて顔はゆでられたタコみたいに真っ赤。
「いやー。悪かったとは思うけど、この状況であっさり出ていくのは男としてどうなんだよ」
「そんなん知らないから!」
さっきとはまるで反対に急に冷静になりだしたエース。あたしはタオルもないから湯船に身を隠すようにいる。そんなあたしにジリジリとエースは近づいてきた。
「ちょっとエース…!」
「無防備ななまえもかわいいな」
危ない!空気が危なすぎる!
「バ、バカっ。それ以上寄らないで!」
「素直じゃねーなァ」
「いや本気だから!」
目の前まで来てエースはニヤリと笑った。エースからの角度なら前は見えてないけど、お尻はしっかり見えてるはず!だめだめだめー!
「この眺めはやべェな。エロい」
ホントに本気で怖い!エースが何をしでかすかわからなすぎて。
「何したい?」
「何もしたくない!」
座り込んであたしの顔を見ながら陽気に笑う。いつもなら眩しいと思う笑顔も今は恐怖にしか感じられない。
「誰か助けてー!」
「みんな買い出しとか、出かけに行って誰もいねェよ」
絶体絶命。あたしの貞操はこんなところで奪われちゃうのか。せめて気持ちいいふかふかのベッドがよかった…。
「なまえ…」
エースにいつもより低めの声で呼ばれて少しだけドキッとしてしまった。けど恥ずかしすぎて顔を伏せていたら、顎を上に持ち上げられた。
「ホントにかわいいなァ」
視線と視線がぶつかり合ってもうどうしていいかわからなくなる。なんでか知らないけどエロいエースを凝視できない。
「エー…、ッ!」
「止めて」と言おうとしたら、勢い良く唇に噛みつかれた。
思考はしばらく停止。
でもなかなか離されなくて、息ができず苦しくなる。
「はぁッ…!ん…!」
やっと離されたと思ったら次は激しい口付けに変わった。初めてのキスでこんな激しい口付けに頭は全くついてこない。
「っん、はぁ…、ェースっ」
解放されて息を整えようと必死に空気を吸った。
「その顔、反則」
「え…」
一瞬だけどエースの顔が赤くなっていた気がする。その照れ隠しか、軽くデコピンをされた。
「んじゃ、出るな」
「へ?」
急に立ち上がって風呂場からエースは去ろうとする。
これからあたしはエースに襲われるんじゃなかったの?
「期待してた?」
「え、」
「顔に書いてあるぜ。襲わないんですか?って」
ニシシと笑うエース。バレバレで逆に恥ずかしい。
「そ、そんな訳ないじゃない!バカエース!!」
「まぁいつでも相手してやるから、夜に俺の部屋来いよ」
「誰が行くかー!」
あたしの叫びは風呂中に響き渡った。
でもエースにキスされて怖いと思っていたけど、確かに心の何処かでドキドキと高ぶっていたものがあった。
それが何なのかはよくわからなかったけど…。
その日の夜、その感情を知りたくて昼間にあった出来事を全部そのままマルコに話したらエースはマルコに甲板で宙吊りにされていた。
覗きに注意!
「なまえ、エースだけはやめとけよい」
「え、なんのこと?」
(鈍感すぎだよい…)
初!エース夢!!やっぱエースが大好きです\(^O^)/口調とか微妙だけど愛してます!!w
2011.6.17
(修正2011.9.24)