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「ぁ、やぁ、んっ…あ」

身体が熱い…。

「ん、はぁ…あ、っ」

あたし、何してるの…?

「やぁ…いた、いっ!んっ」
「ぅあ、やっ、べ…っ」

聞き覚えのある声。どこか懐かしい感じ…。

誰…?

「なまえっ…」
「だっ、れ…ぁ!や…」

裸の男の子とあたし。どうしてエッチなんか…。

「どう、っ…気持ちぃ?」
「ぁ…あか、や?」

視界がはっきりして顔が見えた。特徴のあるうねうねした髪。なんで、赤也とこんなことしてるの?

「なまえ…俺に、しがみ、ついて…」
「えっ…?ぁ、やっ、ふ…」

いきなりのことに頭がついていかない。でも痛みに耐えきれなくて、赤也の言うとおりにしがみついた。

「あっ…!!や、そんなっ、激しくしちゃ…ぁ!、だっめ…ん」
「ふっ…はぁ、あ、っ」

急に激しく突き出されて、大きな声が出た。裸の赤也は少しだけ汗ばんでて、赤也の熱が伝わってくる。

「なまえっ、なまえっ」
「あか、ゃ…っ?」

赤也が泣いてる。まるであのときみたいに…。

「すき…だ…、なまえ」
「ぁ…、あたし…も」
「愛して…る、ぜってぇ、はなさねぇ…っ!」
「やぁあ…っ!ぁん!」

ピストンがより速くなって、赤也の額の汗があたしの胸に落ちた。ドクドクとあたしの中で赤也が脈打つ。

ふたりは絶頂に達した。

「はぁ、はぁ…。なまえ」
「…っ、ふ…ぇ?」
「俺、お前が好きだから…。前みたいに手放したりしねぇから…」

走馬灯みたいに頭の中でぐるぐるする、あの出来事。もし今の言葉が本当なら信じてみてもいいの?

「なまえ」
「赤也…」
「好きだ」

赤也の顔が近づいて、唇が重なる。軽いキスから舌を入れられて激しいキスに変わった。

「ふっ、ん」
「ん…はぁ、あっ」

それに答えるようにあたしも負けじと舌を絡ませる。また、赤也とこんな風に結ばれるなんて思ってもなかった。夢なんじゃないか。




その時、唇の感触がなくなった。

赤也…?

ゆっくりと目を開けてみれば、目の前は真っ暗で赤也の姿はなかった。

「赤…也?どこ行っちゃったの?」

またあたしを置いてくの…?いやだ、いやだよ…。手放さないって言ったじゃん…。どうして?なんで?こんなの…いやだよ!

「あかやーっ!!!!」

その場に崩れこみ、耳を塞いで悲痛に叫んだ。








「はぁ、はぁ…っゆめ…?」

体を起こせば、そこは見慣れた自分の部屋で…。やっぱり夢だったことを実感させられた。

「なんで今さら赤也の夢なんか…」

あたしは赤也と一年前に別れた。赤也が浮気して、でもあたしは離れられなくて泣きすがったけど赤也は泣きながらごめん、の一言だけを残してあたしを置いていった。

今、赤也はその浮気相手の女の子と付き合ってるのに…。

「見苦しい…。気持ち悪い」

自分が気持ち悪くてたまらない。他人の彼氏とのあんな夢を見たなんて…。

もしかして、あたしはまだ赤也のことが…。

「まさかね…」

近くにある携帯を見つめて期待を寄せる。鳴るわけないのに…。











「まじかよ…」

元カノのなまえとセックスしてる夢を見た。

「げ、パンツ濡れてるし…」

夢精したらしい。ありえねぇ…。でも夢とは思えないくらい、なまえの中の温もりと熱と声がリアルに思い出される。

「くっそ…」

どうして浮気なんてしたんだろう。今思えば、なまえの大切さがよくわかる。浮気した女とは付き合って二ヶ月で別れた。理由は俺にはやっぱなまえしか無理だってわかったから…。でも、そん時にもっかいなまえに告白することなんて出来なかった。だって、こんな最低な男は許してもらえないと思ったから。

「ちっ、なんなんだよ。俺!」

一年経った今、お前は俺をどう思ってる?夢の中のなまえはやっぱり俺にとって、都合のいい妄想なのか…?

携帯を手にとってアドレス帳からみょうじなまえを探す。

俺…。










(プルルルル、)






2010.4.10
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