とても面倒なユーリ
「ぐす、あんな簡単な任務も出来ない僕なんて、僕なんてッ」
いつもムカつく薄ら笑いのユーリが、帰ってくるなり半狂乱で泣きべそかいてる。
どうやらプロフェッサー直々に任された任務に失敗したらしい…珍しい。
「使えるから、置いてもらってるのにっ、えっぐ…なのに、僕はなんて役立たずなんだ」
普段優秀なんだから許容範囲じゃない?そう声を掛けてみても、ユーリの耳には届かない。
今のユーリはたちの悪いの酔っ払いだ。人の服をハンカチ代わりにして、こっちの迷惑を考えない!
「こんなんじゃプロフェッサーに捨てられちゃう…!ふぇ、ひ…そしたら、僕、自分で全部考えないと、いけない…一人で考えるなんて、できないのにっ!」
こうなったユーリは面倒だ。
プロフェッサーへの依存度高いし…もしも用済みになって捨てられたら、可哀想過ぎて目も当てられないかも。
普段、プライド高くて鼻につく嫌なキャラなのに少しでも躓くと途端に崩れる脆い奴。
「君も黙ってらいで、らんとかいってよぉ」
危うい呂律で、ユーリは真っ赤な目をして私を睨む。下手に慰めても顰蹙ものだし。
「何とかって」
慰める気も無いし、私は早くユーリに汚された服を着替えたいって事で頭が一杯。
「もういいよ、身体でなぐさめてもらうから」と相変わらずぐずりながら、私の胸に勝手に顔を埋めるユーリ。
うわ、今度はシャツがびしょびしょに…。
「ねぇ、ユーリ、何で泣く時は"ここ"なの」
いつも付き合わされる私の身になってよ…ユーリ立ち直るのに凄い時間掛かるし。
「ここしか、知らないもん」
人の胸の上で子供みたいに言って、ユーリは私の肩に腕を回してしがみついてきた。
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