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「うわ、なまえちゃん凄いメイク!」


私の顔を一目見るなり遊戯君は挨拶の言葉より先にそう言った。


「これ全部で一時間ちょい掛かった」


一応、フランケンシュタイン。
お姉さんがいやにはりきちゃってさ、もっと凄いメイクされそうになって焦ったよ…。
顔中、いや身体の見えるところにもツギハギの特殊メイクで、まるで高い治療費を取る事で有名なお医者さんみたい。


「それにしても凄い人だね」


「僕、夜の海馬ランドって初めて来たけどほんとに凄いね」


ハロウィンイベントもあって大盛況だね海馬ランド。
ランド中仮装した人々で溢れて、中でもデュエルモンスターの仮装が圧倒的に多い。
私も自分のデッキのモンスターの格好をしたかったけど、なにせ戦士族は難しい鎧やらなんやらで断念した。


「遊戯君の仮装も……遊戯君?」


似合ってるね。
皆まだかなーと辺りを一通り見回した後、そう遊戯君に声を掛け様とすると、じっと私を凝視する彼と目が合った。
まさか、メイクがリアル過ぎて怖かったかな…!私も見慣れるまで鏡に映る度に自分にビビってたし…っ。


「…どんな格好をしてもなまえちゃんはカッコイイなぁって」


「キュン…!」


魔法使いの仮装をした遊戯君が両手でホウキを握り締め言う。
その顔はほんのりとピンク色で、そのあまりの遊戯君の可愛さに私の口から変な擬音が飛び出した。





恋する怪物


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