童話で会話
エリーゼ「うーん、38度6分ね。まだ熱は下がりそうにないわ」
メルヒェン「ごめんね、エリーゼ。迷惑かけちゃって」
エリーゼ「そういうこと言わないの。ここには私とメルしかいないんだから私がメルを看病しなくっちゃ」
メルヒェン「でもなんで風邪なんてひいたんだろうね。ずっと快適な家の中にいたのに」
エリーゼ「それよ、それ。空気の循環の悪い室内に居続ければ体調崩すのも当たり前よ。その点私は楽でいいわ」
メルヒェン「そっか、人形だもんね。…平熱が34度もないからまだ相当時間がかかりそうかな…」
エリーゼ「とりあえずご飯は消化のいいものにするわ。何か食べたいものとかある?」
メルヒェン「エリーゼのパンプキンパイ」
エリーゼ「駄目よ。消化に悪いし作っても食べ切れないでしょ?」
メルヒェン「じゃあエリーゼのアップルクランブル」
エリーゼ「…プリンくらいでいいわね」
メルヒェン「エリーゼ作るものは何でも美味しいからいいよ」
エリーゼ「じゃあご飯作ってくるからちゃんと寝てるのよ?」
メルヒェン「…うん」
エリーゼ「熱を下げるには体を冷やさないと。氷枕も溶けかかってるから代わりにこれを使ってみましょうか」
メルヒェン「何なの?その薄緑の物体は」
エリーゼ「見ての通り、キャベツよ」
メルヒェン「……………………どういうこと?」
エリーゼ「さっき読んでた雑誌に書いてあったのよ。『キャベツを頭に乗せると体が冷える』って。有名なスポーツ選手は帽子の中にキャベツを入れて試合をしていたそうよ」
メルヒェン「でもこれって利くのかな…」
エリーゼ「わからないけど試す価値はあるかと思うわ」
メルヒェン「今は少しでも早く楽になりたいからね、試してみるよ。エリーゼにあまり苦労はかけたくないし」
エリーゼ「ありがとう、メル」
エリーザベト「あの人は何をやってるのかしら?」
メルツ「気にしたら駄目だよ。大分変わった人物だからね…我ながら」