童話
元々は私の分身であり唯一の友達であった真っ白なあなた。毛糸の髪を毎朝違う形にセットして。そして私もあなたと同じ髪型にしていたわ。最愛の友達とお揃いなんて素敵でしょう?
彼と別れた時に私はあなたとも別れたわ。彼を守ってね、ってお願いをして。大切な人を2人も失ってそれはそれは辛かった。それでも私は彼にあなたを託した。こんな未来があるとわかっていたわけではないけれど。結果的によければそれでいいのよね?
綺麗な黒と赤のドレスに飾られたあなたもとても素敵よ?エリーゼ。
私とあなたを結ぶものはもうこの目の色と髪型だけ。
「そんなことないわよ?エリザと私はもっと大切なもので繋がってるわ」
私より頭2つ分も3つ分も小さなエリーゼは机の上に立ち、爪先立ちになる。伸ばされた小さな手が私の頭を撫でた。
「私は元々エリーザベトと同じでしょ?だから私もあなたも同じものが好きになる」
にこりと笑ってエリーゼは言った。
「私達は何度廻っても最後には同じところにたどり着く。この光に満ちた暖かい4人の世界にね」
エリーゼが青い目を向けた先にはチェスをしながら談笑する白と黒がいた。
私は何度でもまたあなたに恋をする。