いろいろあって女体化(かなり省略)



ことの現況の坂本は相変わらずの、だがいつもより高い大笑いで周りをイラつかせる。桂の提案で万事屋に居座ることになった四人は、ソファに座っていた。ちなみに銀時、桂と高杉、坂本の二人で座っている。

「どうせじゃき楽しんだほうがええろー」

「楽しめるか!いや、色々楽しめるっちゃあ楽しめるけど…戻るんだろうなコレ!?」

「陸奥に解毒剤ば持ってきてもらっちょる」

「あの女も大変だな」

「それでも社長か貴様は」

「俺のムスコは返してもらうからな!」

「大丈夫じゃってー」

楽天的な坂本に銀時と桂はひどく呆れた。しかし高杉は呆れる素振りも見せず、笑う坂本を凝視する。そして口を開いた。

「けどよぉ、改めて見てみっと面白いもんじゃねぇか」

「わっ!なにしちゅう?!」

高杉は突然隣に座る坂本の胸を揉みだした。坂本はびくりと体を反応させるが、すぐに高杉の腕を掴んで止めさせる。

「自分も同じ状況のくせによくいえるな…。あ、貧乳だから羨ましいんだ晋ちゃん。かわいそー」

「誰が貧乳だコラ。つか、晋ちゃんって止めろ白髪」

「なんだとコラ。子供体型」

「止めんか貴様ら。ちなみに俺は美乳だぞ」

地味に自慢をした桂がふふんとドヤ顔で胸を張る。確かにそこそこのものだ。

「俺は巨乳だしー。辰馬の爆乳には負けっけど」

銀時が自分のものを持ち上げながら言った。こちらはなかなかである。

高杉は銀時をきっと睨むが、直ぐに笑みを浮かべる。

「まぁ、女は細身でさらさら黒髪が良いけどな。白髪ばさばさなやつより」

「天パ馬鹿にすんな!まな板野郎!!」

「てかその条件じゃとヅラが一番近いぜよ」

高杉の腕を掴んだままの坂本が冷静にツッコむ。

「ヅラはもともと女みてーなもんだからカウント外だ」

「ヅラじゃない桂だ。それに女みたいじゃない男だ」

「ちゃっかり女装用の着物着やがって」

「女装じゃない変装だ」

「や、変わらないだろ」

そうツッコむ高杉も、普段の女物の着物なのでかなり女らしい。二人の格好を見て、あることに気付いた銀時が坂本に話しかける。

「これってさぁ。明らかに変化有りまくりなの、俺らじゃね?」

「そうじゃのぅ」

銀時と坂本の出で立ちはいつも着ているものを着たままであった。もちろん女体の体にはサイズが大きく、身長と体重の変動が激しい二人には不恰好である。
胸の谷間から腹辺りまで惜しげもなく晒されており、男ならだれでも食い付きそうだった。残念ながら普通の男が近付けるほど、こいつらはか弱くないが。

「外に出る気はないにしろ、その格好は酷いな」

「お前らと違ってそんな着物無いんだよ」

「いっそ真っ裸でいいんじゃね」

「アッハッハそれはないろーって、なにしとる高杉!?」

坂本が油断した隙に腕の拘束から抜け出した高杉が、坂本の衣服を剥いでいく。

「脱げ」

「い、嫌じゃぁあ!!」

坂本の健闘虚しく、高杉は素早くズボンまで脱がしていった。他二人は手を出さずにテーブルに乗り出し、高杉たちに聞こえるくらいの声で話し出した。

「晋ちゃんがもじゃ子にセクハラしてるぅ。ヅラ子どうにかしてよぉ」

「パー子がしなさいよぉ」

「おまんら助ける気ないじゃろ!ちょ、高杉っやぁ!」

内心もっとやれな気持ちの二人は、坂本と高杉の交じりあいを嬉しさ半分憎さ半分で見ていた。憎さはもちろん高杉に対してだ。坂本はどんどん剥かれていくが、胸をなんとか襟巻きで、下半身はブカブカのトランクスで守っていた。足や腹は既に晒されている。

「なんでわしだけ!?なんで銀時ば脱がさんがか!?」

「いいからまずはお前だ」

高杉の口角がみるみる上がる。坂本の眉はみるみる下がる。

――万事休す、脱がされるちや…!

ガラガラッ

いきなり扉が開き、四人の視線が一斉にそちらに向いた。

「おい、ここに高杉と桂が入っていくのを見たと…」

突然入ってきたのは真選組、土方十四郎であった。しかし、その状況に持っていた刀をうっかり落としてしまう。
それもそうだ。目の前には女が四人、しかも一人は半裸で乗り掛かられて脱がされているのだ。その脱がされている坂本は目を潤ませ頬を染めており、とても欲情的である。

「なっなんだここ!?万事屋は何処だ!」

「はいはい、ここだけどー。なに邪魔してんの大串くん?」

「なんで女にっ!?じゃあそいつらが高杉と桂か!?」

「そうだけど」

「この状況で捕まえるつもりか?女子を捕まえて街を歩けば、真選組もまた好感度が下がるだろうな」

「イメージだだ下がりだろうな」

「下がるもんもないけど」

高杉と桂がたたみかけると土方はぐっと軽く引いていく。ついに諦めてしまったようで。はぁ、とため息をついた。

「捕まえんのはやめだ。つうか…そいつ嫌がってんだろ?止めろよ」

土方は押し倒されている坂本をチラリと見る。するとばっちり目があった。

「助けとぉせお巡りさぁぁん!!」

「っ!!」

坂本は高杉の腕から抜け出すと、土方に真正面から抱きついた。立ってしまったのでトランクスも襟巻きも落ち、つまりは全裸である。

「辰馬離れろ!犯されるぞ!」

「正面向け!尻しか見えねぇだろうが!」

「しかし尻も綺麗だな!」

「くそ!やっぱ胸でけぇよ!!」

関係ないことまで言い出したアホどもに、坂本も悲痛に叫ぶ。

「そっちは皆敵じゃあ!」

「ちょ、む、胸!つか見える!」

土方がつい坂本に視線を落とすと、隙間から坂本の全てが見えてしまい、顔を真っ赤に染める。坂本は全く気付いていない。

「見んじゃねぇよ!ぶっ殺すぞ!!」

銀時が殺気満々で土方に叫ぶ。桂は斬りかかりそうな勢いだ。高杉はすでに抜刀している。

「事故だっつの!事故!!」

「問答無用!」

「助けとぉせぇー!」


陸奥が薬を持ってくるまでの間、五人の騒ぎは止まなかったという。




--------------------
お得意の尻切れトンボ。ただ女体化したかっただけ。







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -