「いや、あの、俺が女の子たちと遊んでいたのはですね……」
「…………」
「その、孝志にハマるのが怖かったというか……」
「はあ!?」
なんだそのわけのわかんねえ理由は。
「孝志ん中、どんな女の子よりも気持ちいし、まじたまんねーんだけどさ、孝志なしで生きてけなくなったら孝志に捨てられたとき俺どうしよーって……」
「他の男とヤりゃあいーだろ」
「ちょ、孝志以外の男とか考えらんないよ!」
「は?お前バイだろ?」
「違うよ!男は孝志が初めてだって!」
「え、そーなの?」
「そーなの!」
「あー……そう……」
そりゃあ女の子の方がいいわな。
ノンケだったのかこいつ。
なら今まで俺を抱けてたのが奇跡なわけか。
「ちょ、孝志?またなに考えてるかわかんないけどさ、孝志は特別だからね!?」
「…………」
「うー、じ、実はもういっこ理由がありまして……」
まだあんのかよ、と嘆息しつつ、言えよ、と視線で促す。
「その、孝志がさ、挿れられてすげえ気持ちよさそうにしてんのみて……その……」
「……挿れられたくなった、と」
「は、はい。でもそんなん言えないしますます孝志に溺れたら怖いしで、」
「……女にはしったと」
「うっ」
はー、と長いため息を吐く。
わかった。結論はでた。
「よーするに、お前を俺に溺れさせたらいいわけだ」
「えっ」
「俺以外じゃあ満足できねえ体にしてやるよ。……感謝しな」
「っ、」
なんだよその期待に満ちた目は。
ノリノリじゃねーか。
*
そもそも俺はタチだったんだ。
それをわざわざこいつのためにネコになってやったんだよ。
ゲイではないのはわかってたから少しでも楽なようにと思ってだな。
でもまさかそれが裏目に出るとはな。
最初からくっちまえばよかった。
「ひぃ、あっ、あっ、そこやばっ、」
なーんてことを伸之のケツの穴弄くりながら考えてた。
俺の指をあっという間に3本くわえて喘ぐとか、素質ありすぎだろ。
俺の指がぐちょぐちょと出入りするたびに小刻みに震えるのがかわいくて。
「伸之ぃ、お前、女なんかだけねーよ。」
「んっ、いいっ、いいっ、孝志だけでっ」
「ふ、そーかい。………挿れんぞ」
「ん、ああ、熱い、っ、でか、」
「なに、これが欲しかったんじゃねえの」
「あっ、あ、あ、はぅ、んんっ」
「……………」
「やぁ、な、なんでっ」
「なんか伸之ばっか楽しんでね?」
「そんなことな、いっ」
ゆるゆると抽挿を繰り返しながら伸之を追い詰める。
「孝志ぃ、動いてよ」
「お前………、やぁだ。お前が動けよ」
「え、わっ」
俺は壁に背を預け、胡座をかく。その上に伸之を抱きかかえた。
俺、伸之にやってやったことあるっけ、これ。
「ちょ、はずいっ」
「知るか。ほら、うごけよ」
伸之の浅い部分を擦ってやる。
すると伸之は恥ずかしがりながらも、我慢できなくなったのかゆっくりと腰を動かし始めた。
「んっ、やばっ、これやばっ、」
イイところにあたるのだろう。
徐々に腰の動きが早くなる。
俺は伸之の着ていたシャツをめくり、乳首を舐めることにした。
伸之はなんかもうどこでも感じてしまうらしく可愛らしく喘いだ。
「乳首まで感じるとか、お前まじで男初めてなわけ」
「ほんと、だってばっ」
「ふーん?」
「あ、きゅ、にうごくな、あっ」
「しらねー」
ガツガツと下から突き上げてやる。
伸之は力が入らないのだろう、俺の首に腕を回ししがみついてきた。
ああ、くそ。
こいつがほんとに俺に溺れればいいのに。伸之がイった瞬間、俺も伸之の中でイった。
*
「孝志、こんなに飲んでたの?」
「あ?ああ」
しばらくして、玄関でヤってしまった俺たちはようやくリビングへと移動した。
そこには恐ろしい量のビールの空き缶とケーキの食べ残しと、いろんなもんの空があった。
「普通、倒れるよ………この量………」
「そーか?」
「うん………でも孝志が酔いにくくて良かった」
「あ?」
「だって忘れられたらやだし。さっきの」
「へー、どうだか」
「まじだって!てか俺もう孝志以外いらねーから!」
「それはまた都合のいいこって」
「俺、まじで孝志に溺れたから。浮き上がる気ゼロだから。てことで、一緒に住みたい」
「はあ?」
「俺、結構束縛したいタイプみたい。尽くしちゃうから」
「………いらねー」
「はあ?」
このあと、俺の誕生日のやり直しをして、2人で同居………同棲?の話し合いをするんだが、伸之がなんかデロデロに甘くてびびった。