ともだち検定準2級



「大丈夫だったか?」

まあね。
七代目に弁当を届けることになった私、サラダ、チョウチョウ。だけどその道中、謎の写輪眼の少年と、ゆるキャラのなり損ないうちはくんに襲われちゃった!私たちも懸命に応戦したけど大ピンチ!そんな時、みんなの憧れ七代目火影様が颯爽と現れて、相手をあっという間にノックダウン!こんなの惚れるしかないじゃない!でも敵には逃げられちゃって、まだまだ危険はいっぱい!私たち、これからどうなっちゃうの〜!?

「ふう、疲れた」
「そうだな。ナマエは友達のためによく頑張った」

あいえ、別にそっちではない。勘違いされたらしくいい子いい子と頭を撫でくりまわされたが別に嬉しくはないゾ。

「あいつら、何者なんですか?うちはって…」
「心配すんな。オレが守ってやるからよ」

同じように頭を撫でられたサラダは、頬を染めて俯いた。

「さーて、このまま三人を里に返すわけにもいかねえか。オレと一緒にこい、それが一番安全だしな」
そう言った七代目の指示に従って、私たちは七代目の向かううちはサスケとの合流地点まで同行することになった。なんと、今まさにサラダの父さんに会いに行くところだったらしい。思いがけず目的が達成されることになってサラダも心なしか浮き足立っているように見える。一方私とチョウチョウはここまで持ってきた弁当のおにぎりを頬張りながら、「厄介なことになったね」「ほんとね。はじめはあちしのパパを探す予定だったのに〜」「だからそのパパって誰…?」と雑談していた。七代目はチョウジさんが何処かに行ったのかと疑問を抱いたようだったが、華麗にスルーされていた。私もよくわからんので無視した。少女二人に無視される現最強の忍者とかウケるー。四人仲良く並んでヒナタさんの弁当を食べながらのピクニック。先ほどの騒動など嘘のように穏やかな雰囲気だった。チョウチョウが少し体を乗り出してサラダに話しかける。

「サラダのパパってどんな人?あちし一回も見たことないんだけど」
「…覚えてない」

私は厚焼き玉子を摘みながらその様子を伺う。うまい。その傍、七代目がサラダにアカデミー時代のうちはサスケを語っていた。ほう、イケメンで成績トップでモテモテとな。だがしかし七代目もそうであったというと、成績トップが二人いたことになる。つまり、どちらかが嘘…?しかし自分がトップならわざわざそんなことを言う必要もないはずだ。いやあまさか、七代目が法螺吹きなんてそんな。サラダは知らない父さんのことを聞けたと笑みをこぼしたものの、私とチョウチョウは微妙な表情だった。
ふと、目がショボショボする感覚がして目を擦った。

「あいつはオレのライバルだ。それは今でも変わんねえ」

もう一度強く瞬きをするとそれは治っていた。気のせいかあるいは先ほどの戦闘で疲れたのかと思い、私はそれ以上気にしなかった。今までの騒動とは違い本当に他人に命を取られそうになったのははじめてで、少し張り詰めていたのかもしれない。私は七代目に「ナマエは…」と話しかけられて慌てて背筋を伸ばした。私だって人並みに緊張はする。

「そうだな、うんと長生きしてくれってばよ」
「……七代目もご存知なんですか?ネジという人のこと」
「…ああ、聞いたのか?」
「いやーそれが何も」

直感的に、七代目の視線が今までの人たちと同じであると思った。いい加減に面倒になってきた私は思わずそう聞いていたのだが、七代目は暫し言い淀んだ後に「ネジは分家のすげー奴だってばよ。それから、オレの命の恩人だ」と懐かしむような口調で天を見上げた。うん、大概予想の範疇だよな。そのネジ、さん?とやらはとても才能に溢れた優秀な忍者だったと言われたが、そうなるとやっぱ似てないな、と思った。まず私と赤の他人を比べてくるのは勘弁してくれよ…。会う大人会う大人それで最近は辟易しかけている。シノ先生や木の葉丸さんくらいか?ここのところでその「面影」とやらを指摘しなかったのは。だから私は血筋以外で日向とはなんの関係もないってあれほど。相当微妙な表情をしていたのだろうか、私を見た七代目が頭を掻きながら苦笑した。

「そんな顔すんな。ナマエはナマエだ。周りのことなんか気にせずわがまま言っていいんだ」
「ナマエは既にちょーわがままじゃん」
「我が道を行ってると言って欲しい」

それからチョウチョウの指摘は誠に遺憾である。だいたいが、私は自分から何か騒動を持ってきた覚えがない。大概お前のことだぞチョウチョウ!友達じゃなかったら既に百回はしばき倒している。女子だからとか贔屓はしないからな。私は男女平等な社会を目指しています。

「チョウチョウは顔はカルイそっくりだけど、体型は昔のチョウジにそっくりだってばよ」
「ああん?」

急に表情をと声色を落として不満げなチョウチョウ。いったいチョウジさんのどこがそんなに憎いのか。いい加減かわいそうになってきた。
「さて、腹ごしらえも終わったところで行くか」という七代目の掛け声に合わせて、私たちは「はーい」と返事をしたのだった。
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