べたすぎて笑えちゃうわ



で、禁止された配達業にボルトたちが戻って来たので新しく作戦を立てることになった。ボルトたちについてクロヤギさんがコマメさんに掛け合ってくれたらしい。木の葉の民度高すぎ問題。木の葉……民度…うっ頭が。

「さぁ、やるってばさ!」
「おー」

さてこうなったら、全員無事で帰れるように私が事前に危険を察知するしかないだろう。言ったって聞きゃしないのはもうわかってますよっと。
本日の配達業、木の葉の地図が描かれたボードの前でボルトが印を組むと三人の影分身がでてきた。どうやら足りない人数を補おうという考えらしいが、私たちの影分身は精度も持久力も低く本体の確認できる範囲から出る事はできない。影分身にすらブツクサと文句を言われ、あえなく却下となった。常々思ってるけどあいつら生意気だよな。

「シカダイ」
「なんだ?」
「影分身はともかく…人数が足りないのはどうしよう。私の白眼の範囲だって里を全部覆うほどじゃないからさ」

精々が一区画を見張るので精一杯だ。それもかなり無理をしている。長く維持するのにもチャクラを使うし、まさかこんなところで天然の修行をする羽目になるとは思わなんだ。犯人がいないか一人一人の挙動を観察しながら、聞いただけで見たこともない犯人を探し続けるのって実際かなり面倒くさい。四区画ある里を一人一つと言ってもあくまで職業体験の傍らでの捜査、担当地区を無理やり変えることはできないわけで、結局人数不足の対策は明日に持ち越しとなった。「そうだな…」、と考え込んでいる参謀のシカダイにこの件は任せて、今日は真面目に配達をしよう。

「意外だね」

ポストに手紙を入れているとミツキ君がいつものようにいつのまにか私の隣にいた。今回は白眼を発動していたので気づいていた。日向は木の葉にて最強……。そんなミツキ君の意外、という言葉の意図が読みきれずに首を傾げると、どうやら私は今回の件から抜けると思っていたようだ。言い換えると逃げ出すと思っていたらしく、まだこうして協力している私が不可解らしい。確かに怪我とか死ぬほどごめんだしやめるタイミングは狙ってるけどな?委員長たちまで犠牲になり、ことが大きくなりすぎてちょっとそういう雰囲気じゃないっていうか…、別にそこまで深い意味はないんだが、という真実は言い出しにくく、私は腕を組んだ。それに、ちょっと気になることもある。空気を読める女でありたい今日この頃。

「人は一つのことだけで判断する生き物じゃないんだゾ、ミツキ君」
「へえ、ボクもそうなのかな?」
「いや知らんがな……」

相変わらずミツキ君のほうが意味不明だと思ったが口には出さないでおく。前ノリで相棒とか言ったけどやっぱ解散しょ…。彼と友達になれる未来が見えない。表情が一切動かないミツキ君の背中をばん!と思いっきり叩いて、早よ仕事してこいと送り出した。近代化をしてからあらゆる意味で広くなった木の葉の里で、このご時世忍者を目指そうとかいう奴らがまともなわけもなく、騒動に巻き込まれるのはもはや慣れたものだった。嫌、嫌だが、何だかんだで付き合ってしまう私側にも問題はあるだろう。
そうして、数日間はクロヤギさんと共に真面目に配達業をこなした。しかし、その間もゴースト事件は度々起こり、それら全てが狙ったかのように我々の配達場所から離れた場所だった。これはいよいよ怪しくなってくる。
それが五度目にもなった頃には「まるで、こっちの動きが読まれてるみたいだってばさ」「……案外、当たってるかもな」と、ボルトやシカダイもこの現状を不審に思い始めた。そうなると対処法としては全部見張る、だが最初の人手不足に戻る。シカダイはいよいよみんなに応援を頼むしかねえと言いだしたが、…多分初めからそれが一番だったんじゃね。ここにきてまさかの効率化を図りつつ、しかしそれだけでは不安だとシカダイはさらにもう一つ、犯人の裏をかく作戦を立ててやる、と意気込んだのだった。おー。
協力してくれると集まったのはチョウチョウ、いのじん、雷門君、イワベエにメタル。だいたいいつもの面子だ。お前ら暇人か?と馬鹿にしたがどうやら職場体験のレポートはとっくに作成済みとのこと。馬鹿はこちらだった。

「みずくせーぞお前ら。委員長たちがやられた以上黙って見ているわけにもいかねー」
「そうです!みんなで犯人捕まえましょう!」

お前ら……やさC。「ナマエも、なーに生意気なことしてんのよ」と久々に会うチョウチョウに肩を叩かれる。チョウチョウが協力してくれるというのはかなりレアなことで、思わず嘘だろ?と反応したら半分倍化の術で殴られた。おま、それ普通に死ぬやつ。そしてシカダイの作戦の元班分けが行われたのだが、私は犯人を取り押さえる方に回るらしい。あ、やっぱそういう…。今度は肋骨が折れないことを祈るばかりである。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -