さみしいと思わないこともないよ



「あら、ナマエちゃん。職業体験中?」と背後からかけられた声に振り返るとヒナタさんがいた。横にはボルトの妹ヒワマリちゃんもいる。今日もヒナタさんはふつくしい……。「郵便配達中です」と大量の荷物が入ったボストンバッグを持ち上げた私は、ボルトに「母ちゃんにチクるなよ、ぜったいだってばさ!」と言われていたことを思い出した。ゆうて多分バレバレだと思うが、一応体裁を守らなくてはいけない私は真面目に取り組んでます風で目の前のポストに手紙を入れた。

「アカデミーも私の頃からずいぶん変わったな…」
「木の葉も近代化してますからね。寧ろなんでこのご時世に火とか吐いてんの?とか私は思ってますけど」
「そうね。本当に平和な世の中に忍者は要らないのかも。…ナマエちゃんを見てるとネジ兄さんを思い出すなぁ」
「、はあ?」

誰だよネジ兄さん。とか思ったがあまりに懐かしげに見られるものだから流石に言葉に詰まった。日向の人ならまあ、一応血が入ってる私にも面影とやらが似るのかもしれない。しかしどうも容姿の話ではないらしく「雰囲気というか、妙に頑固なところがね」と言われた。ネジ兄さん全く知らんがなぜか何気にショックだゾ。

「それから友達思いなところ」
「え」

友達思いな奴とか心当たりがなさすぎて笑ってしまいそうになった。今まさに問題起こして切手数えさせられている三人を他所に、一人だけ罪を逃れたところだったので余計にあれ友達って…?となる。いやま人の友情はそれぞれって言うし多少はね?
「ボルトと仲良くしてあげてねナマエちゃん。あの子ナルト君に認めてもらいたくて無茶しがちだから」
うーっす。と生返事をしてヒナタさんとは別れたが、流石は七代目の奥さんにもなろうかという日向家のお姫様。貫禄というか良妻オーラが半端なかった。ああいう家庭を私は築きたい……いやあんな淑やかな雰囲気を私が出してたらキモすぎて世界が壊れるな。てかヒマワリちゃん待ってる間私の腰に容赦なくボディブローかましてきてたがえぐかったぞ。噂によれば白眼も開眼しているらしいし、多分彼女が成長したら私は完全にポジションを食われる。よ、よーし、お仕事頑張っちゃおうかなぁ!?
両手を天に掲げてコロンビアポーズを取ったところで、街頭モニターに映し出されたニュース速報が私の耳に入ってきた。
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