竜の血を浴びた剣士

5.竜の血を浴びた剣士



 ーー間違いだった。
 それを見た瞬間に理解する。オレは間違えた。ただの好奇心。興味本意でここを。この封じられた洞窟を訪れたことに、本気で後悔した。

『なんだなんだァ、どうした下等生物ゥ。あああいいヤ言わなくても分かってる。分かってルよォ』

 くぐもった声。小馬鹿にしたような嘲る声音と、間延びした喋り方。少し舌足らずで時々裏返るそれは聞き取りづらいが、そいつの体は元々、言葉を喋ることに向いていないのだろう。
 オレを下等生物と言ったのも、オレを罵って言った台詞ではなく、そいつにとってはただの真実なのだ。

『よく知ってルぜェ、その目。ワケわかんねェまま死にそうになってルとき、ヒトってェのはだいたイそんな目をすルんだ。ああァそうさ。ヒトは俺様を見ルと、みィんナそんな目をしてル』

 ナァ、下等生物。
 そいつは、不遜に。

『ーーそう、昔っかラ、そォだ』

 そしてどこか淋しそうに、それを言った。
 赤茶色の鱗。かつては空を舞っていたのだろう、大きな翼。人を丸のみ出来そうなほど大きな口と、鋭い牙が、ケラケラと嘲う。鈍い金の爬虫類じみた瞳が、見定めるようにオレを眺める。

 ドラゴン。

 その巨体が、狭い洞窟の奥の奥に、大量の鎖に繋がれていた。何重にも仕掛けられた罠を解除し、封印に潜り込んだ結果がこれだ。
 まったく、五日ほど前の時に戻って、やけくそじみた探検を始めるオレをぶん殴って止めたい。

 傲岸不遜なドラゴンが、目を細める。

『アアン? どウした下等生物ゥ。せっかくの客に茶も出せねェ俺様に呆れたかァ? はっはあ、勘弁シてくレよ。このナリで茶なんか出せるワケねェだろォ。こんなバケモンみてェな姿で。こンな、鎖に繋がレ、ろクに手も動かせねぇのによォ』
「………」

 なんだろう。その台詞で、オレは随分と落ち着いた。そいつの言い回しがやけに人間染みていたせいか、自分のことを化け物と言ったせいか、そいつの言う通り、四肢にも翼にも、太い鎖が食い込んでいるせいか。
 会話が成り立つのではと思わせる何かが、奴にはあった。

「……ドラゴンは、絶滅したはずだ。もうこの世界に、ドラゴンが存在できるだけのマナは漂っていない。ドラゴンは、過去にマナが増えすぎたマナ過多時代の量でしか生きていけなかった程の、大量のマナを摂取しなければならない種で」
『ンアアアごちゃごちゃうルせェな。その通りだよくお勉強してンねと褒めてやりゃ満足かイ?』

 しかもそのマナ過多時代は、今から千年も昔の話だ。ドラゴンは退屈そうに、不満そうにオレの言葉を遮った。

『ンなクソつまンね話より、もっと普通の話をしようぜェ。よく勘違いされルが、オレは普通の話が大好キだ』
「普通の……?」
『おおそゥだ。例えばナァ、天気の話とかイイなァ。今日はどうだ。晴れていたかイ?』

 ドラゴンはそう言うと、くつろぐように重ねた前足に顎を乗せた。自分より強く、大きな生物に見下ろされるのは酷く窮屈で、恐ろしい。先程まで頭をもたげていたドラゴンのその体勢の変化は、とてもありがたかった。
 それでも殺されるという恐怖は抜けないが。

「……今日は、晴れていた。でも、午後あたりから雨が降りそうだったな。山に雨雲が見えた」
『そうかそゥか。なら、そろそろ降りだしてる頃カナァ。こう洞窟暮ラしが長イと、外が気になっていけねェや』
「長い、って」
『オウ。四百年過ぎたあたリで数えルのを止めたが、数えルしかやることなくてなァ。なンやかんやで数えちまって、覚えてルだけで五百と二十一年と三ヶ月と九日だ』

 五百と二十一年と三ヶ月と九日。
 聞いただけで気の遠くなる数を、ドラゴンは淡々と言った。それは、ここに捕らえられてからの時間であるだろうから、実際はもっと長く生きているのだろう。
 恐らく、少なくとも、千年は。

「お前は何故、ここに?」
『オウおう、天下の凶暴種ドラゴン様にそンなこと訊くかイ? アブねェからだよォ決まってンだろォォ? 特に俺様はな、若気のいたりでよ、ニンゲン大量殺戮をヤっちまったのよォ! 村のヒトツフタツじゃねえ、国をイッコ滅ぼして、五百年は使い物になラねェくらイに、土地も水も空気も穢してやった!お陰さまでこのザマよォ!』
「……」

 そいつはやはりケラケラと笑いながらそれを言う。動けないというのは嘘ではないかと思うほど、大きく太い、筋肉が分かる腕。そこから生える爪で薙がれれば、オレの肉は一瞬で削ぎ落とされるだろう。
 人間を殺戮したという話を、嬉々として語るドラゴンに思わず半歩下がると、ドラゴンは声を上げて笑った。

『ギャハハハ!! 引くなよニンゲン、分かった悪かっタ。俺様が無神経だったナ』
「は、?」
『あっははァイイねェ! イイよその意外だなァって感ジ! そォよ俺様、下等生物に謝れるくらいには柔軟なんだよォ?』

 それは、ドラゴンの言う通り、意外だった。ドラゴンが人間を殺戮したことを人間に嬉々として語ったことを、無神経だったと謝ったことを、意外に思ったのだ。
 そして、意外に思ったことを、このドラゴンが怒らなかったことも、意外であった。ドラゴンは笑う。

『ンアアアいい気分だ。ニンゲンと会話したのは、あー、えエっとォ、二百年ぶりくラいだァ、タブンな』
「二百年」
『オオ。ま、前回のヤツァ、テメェほど図太くなクてなァ、俺様を見た瞬間、ヒャアアアアアって腰抜かシて大絶叫よ。ガタガタブルブル震エちまって、会話できるようになるまで、落ち着くの待ってよォ』

 ドラゴンがクツクツと喉で笑う。思い出し笑いなどと、本当に、随分と人間らしい。
 と、言うか、それは。

「……多分、オレの先祖だな、その人」
『ぶはっ、マジかァ!! 』
「ひいひいひいじいちゃんくらいか?」
『ギャッハハハ! こリゃアイイ! 今日はサイッコーの日だァ!』

 ドラゴンが声を上げて笑う。人間だったら腹を抱えて転がっていそうなほどの大爆笑だ。現に、息切れしながら尚も笑っている。
 オレはなんとなく気まずくて、言い訳がしたくなったので、話を続けた。

「じいちゃんの荷物を整理していたら、古い紙切れが出てきて。そこに、ここの事とか、罠とか封印のかわし方とか……あんたのこととか書いてあって、それで」
『興味本意で来てミたらビックリ、本当に本物のドラゴンがいたってかァ?』
「……まあ、そうだな。本当にいるとは思わなかったよ」

 しかも、こんなに会話が成り立つドラゴンが。

『あっははァ、にしては冷静だなあ』
「そんなことない。心臓バクバクだ」
『クックック、表情筋も仕事シないなあ、テメェ。アア、お前なら。お前ならイケるかもしンねェなァ……』

 ドラゴンが不意に声を低くして、独り言のように呟いた。いきなり変わった声音に、緊張が走る。先程まで笑っていた奴が急に黙ると、何故こんなにも怖いものなのだろうか。
 ドラゴンは笑うのを止めて、それを言った。

『ナァ、ニンゲン。テメェはソの腰の剣で、生き物を殺シたことはあるか?』

 まっすぐに見詰めてくるその眼差しは鋭い。剣と言われ、思わず利き腕をタメた。敵うわけがないのに、緊張した。

「ある。狩りをして生計を立てているからな」
『ヒトは。ヒトを殺シたことハ?』
「……あるよ。一人で旅をしていると、色々な」

 例えば山賊。例えば暗殺者。例えば快楽殺人者。殺さずに済むならそれに越したことはないが、そうもいかないときもある。
 オレの返事に、ドラゴンは満足げに頷いた。

『デハ、ヒトの言葉を話すヒトではナいモノは、殺せルかイ?』

 ーーそれは。

 それはまさしく、今オレの目の前にいる生物のことだろう。

 オレは驚きに目を見張り、ドラゴンを凝視した。その視線に、ドラゴンはやはり、クツクツと喉で笑う。

「いや、殺せるとか殺せないとか、オレの覚悟とか躊躇とかの問題じゃないだろ……お前、自分がなんなのか分かって言ってるのか?」
『アア、分かってル。ニンゲンごとキに殺されル俺様じゃアなイなァ。でもそレは、俺様が抵抗シたラ、の話だろゥ?』

 それは、つまり。

『俺様が抵抗せズ、殺されルことに協力シ、テメェに殺す気があレばーーテメェごとキにも、俺様は、殺せル』

 俺がドラゴンを、殺す?

「……お前、死にたいのか」
『オウ』
「一応、理由を訊いてもいいか」
『オウ。イイゼ。飽きタ。そレだけだ』

 そりゃあ。
 そりゃあ、飽きもするだろう。こんな、なにもない洞窟の奥の奥で、過ぎていく日を数えることしかすることのない、日々には。
 飽きも、するだろう。
 なんでもないかのように、しかしその言葉通りに、つまらなそうに答えたドラゴンの声は、あの、嘲るような響きが嘘のようにーー弱々しかった。
 しかし、それでも。

「でも、無理だ。ドラゴンの皮膚、と鱗は鋼より硬いんだろ。オレには、いくらお前が大人しくしてようが、斬れない」
『鱗がないトコロを斬りゃアいい』
「えーと、腹か?」
『いい線いってルが、違うナァ。俺様もできレば楽に死にてェ。腹をチクチク斬らレんのはちィとツライ。それでなくてもこの体は治癒能力が偉く高くてなァ、その程度じゃ死なねェのよォ』

 じゃあどこだよ、と。
 ドラゴンに訊けば、やつは自嘲ぎみに笑いーーあんぐりと、口を開けた。

「ッっう!?」

 ひと一人丸のみ出来そうなほど大きな口。それをかぱりと開けられても、恐怖しか感じない。瞬時に、身体中にぶわっと汗が吹き出し、思わず身構えた。勿論、戦う体勢ではなく、いつでも踵を返して逃げれるように、だ。
 ドラゴンはそんなオレにクツクツと笑いながら、オレを傷付けることなく口を閉じた。
 それに、オレははっとする。

「……まさか、口から脳を刺せとか言わねえよな?」
『そのまサかだァ。イイねェ、思ったより賢イじゃねェか』
「……」

 それは。それはまた随分と、無茶を言う。ドラゴンを殺せと言っている時点で有り得ないのに、こいつは、ドラゴンの口の中に自ら腕を突っ込めと言っているのだ。
 いや、腕だけではない。奴の身体の大きさを思えば、上半身は潜り込ませなければ、剣が脳まで届かないだろう。

『ーーー』

 決断を待つように、あれだけ煩かったドラゴンが、じっと黙ってオレを見ている。簡単じゃない。信頼も信用もない初対面で、しかもドラゴンを、命をかけて、信じろと言われている。
 それは。
 しかし。それは。

「……なあ」
『ンん?』
「もし、オレが、断ったら?」

 ドラゴンが、自分を殺させるために、今、オレを生かしているとしたら?
 奴は、声を上げて、笑った。

『ギャハハハ! 断ったラァ!? 帰ればイイだろォがよォ!』
「……え?」
『実際にあのヤローは生きて帰ったぜェ? お前のひいひいひいじいさんだっケなァ』

 言われて驚いた。そういえば、そうだ。

『まァ、あいつはテメェほど潔くなかったかラなァ。ごちゃごちゃ言ってたぜェ? こっちも死ぬ危険があル。だかラ待ってほしイ。やルべきことをやリに一度帰らせてクれ。五日後、必ず俺様を殺シに戻ってくルってなァ。それから二百年も戻ってこねェ。騙されて俺様は悲しいぜェ?』

 そう、ケラケラとドラゴンは笑った。嘘だと分かっていながら、奴はその男を帰したのだろう。

『だかラ、テメェも無理なラ帰レばイイ。今更、その程度で憤リゃしねェよォ。でも、帰ルならヒトツ、頼みがあル』
「頼み?」

 ドラゴンは、目を伏せる。
 その言葉を聞いて、オレは思った。もう、ダメだ。こいつは、もう、ダメなんだ。


『……もう二度と、来ないでくレ』


 もう、どうしようもないほど。


 ーー孤独だ。


「……いいぜ。オレにももう、帰る場所なんかないしな。ドラゴンに食われて死ぬなんて、何度生まれ変わってもなかなかある死因じゃない。むしろ光栄なくらいだ」
『……じじぃがいるんじゃねェのかイ』
「死んだ。俺が整理してたのはじいちゃんの遺品だ」
『ハッ、じじぃもロクなもン遺シてなかったなァ』

 ドラゴンがケラケラと嘲う。
 目を細め、問う。


『ーー正気か』


 奴が低く唸る。太く鋭い牙を剥いて。
 オレは、剣を抜いた。

「正気だ。さっさと口開けろ」
『クッ、あっははハハハハ!! イイねェ、泣けてくルほど嬉しいねェ! たまンねェなァ』

 ドラゴンは声を上げて笑う。
 そうだな、これはせめて、祈りたくもなる。祈りたくもなるほど、惨めで、哀れで、苦しい。

『そォだ忘れるとこだったァ。俺様を殺せば、俺様の体かラ赤い宝石が転がってくル。売レばそれなリの値になルだろォが、そレは俺様への手向けだと思って、ここに置いていってくレ』
「分かった。宝石に興味はない」
『そゥかイ。ジャア、よろシく頼む』

 そのとき、オレは、本気でそいつを信じていた。奴が本気で死にたがっていると信じていたし、奴が本気でオレに大人しく殺されるつもりでいると。オレは信じていた。
 自ら口を開けたドラゴンに、自ら飛び込む。オレから見ても、奴から見ても、自殺行為だ。なんとも、滑稽だ。

 そしてそれは、オレが信じた通りに、終わった。

 剣を抜くと、血が噴き出す。
 口の中なんて逃げ場のない場所で、オレは頭からその血を浴びる羽目になる。直ぐに奴の口の中から這い出すと、ドォンと重い音を立てて、ドラゴンは地に伏せた。
 ドクドクと流れ出る奴の血を眺めながら、いつの間にか上がった息を調える。

『アア、そォいやァ、もォイッコ、忘れてたナァ』
「……まだ生きてたのか。さすがに頑丈だな」

 脳を刺されても、まだ生きている。これは本当に死ぬのかと、不安になった。
 ドラゴンが、クツクツと喉で笑う。

『せっかクだ……名を、教えてくレねェか』
「……キル。キルディオ=ガドレ」
『きる、がれ……? アア、』

 ドラゴンは、小さく笑う。しみじみと、なにかを悟ったように、笑う。

『どォリで、よく似てルよォ』

 ーーオレを、ここに封じた奴に。

 ああ、どうりで。
 こんな辺鄙な山奥の、誰も近寄らない罠とか封印だらけの洞窟の場所や、この孤独なドラゴンへの道を示す正確な書が、家なんかにあるわけだよ。

「お前の、名前は?」
『あははァ、呼んでくれルか…?』
「呼んでやるから」

 声が小さく、弱々しく消えていく。さすがにもう長くないのだろう。そんなときまで、このドラゴンは、素直に答えやしない。


『……俺の、名は』


 だから、それを最後まで聞く前に、ドラゴンは力尽きた。鈍い金の瞳が、光を失う。
 その目元に、そっと触れた。硬い鱗が、サラサラと砂のように落ちていく。遺体が焼かれて灰になるように、巨体が、マナへと還っていく。
 カランと、何かが落ちる音がした。赤い宝石が、ドラゴンの血の中に沈む。これが、ドラゴンの言っていた宝石だろう。確かに美しいが、何故か、触れる気にはならなかった。

 その巨体が、肉も骨も、すべて灰になるまで見送ると、赤い宝石とは別に、何かが落ちているのに気が付いた。ぱちゃ、とドラゴンの血溜まりを踏み、それに近付く。

「……ああ、やっぱり」

 誰にでもなく、一人呟く。
 血に沈む、俯せの、人骨。

「お前、人間だったんだな」

 こんなバケモンみてェな姿で。
 そう言ったドラゴンに違和感しか無かったが、ようやく、納得する。その肋骨の中、心臓があっただろう位置に、何かを見付けた。小さなそれをよく見るために、オレは膝を折ってしゃがみこむ。
 鈍い金の、宝石。ドラゴンの瞳と、同じ色の、けして美しいとは言えない、凝った石。だが、オレはそれを拾い、上着のポケットの中へ押し込んだ。置いていけと言われたのは、赤い宝石。鈍い金の宝石については、何も言われていない。
 そして。

「……なんだ、コレ」

 鈍い金の宝石と一緒に落ちいてたものが、もう一つある。桃色の髪が美しい、手のひらにすっぽりと乗れそうな程、小さな小さなヒトだ。
 これは確かーー妖精?

「うーん……森に帰すのが一番いいか」

 自然に棲み、自然に生き、自然に還るもの。オレはそう結論付け、小さなヒトを持ち上げる。それは本当に、片手に乗るほどに小さく、軽い。
 ドラゴンといい、妖精といい。稀少な生物によく会う日だ。ドラゴンなど、もう絶滅したと言われていた生物だ。

「ドラゴン、ねぇ」

 まさか、このなんとなくで拾ったピンク色の自然生物も、やたら人間らしく、なんだったらドラゴン以上に喧しいことを、このときのオレは、まだ知らない。
 そんなことよりも、奴の血を浴びた体が、焼けるように熱いことの方が、問題だった。

 赤い宝石の横を通りすぎる、竜殺しの青年。その背を、黒い髪の人外が、哀れむように眺めいてた。






 あれを殺してはならない。
 ドラゴンの血は人間にとって、毒となるほどのマナが溶けている。ドラゴンの血を浴びた者は、人間の体では許容仕切れないほどのマナを産み出し続けることになる。
 そしていつしか、器に限界が訪れる。
 体がマナの保有量に耐えきれず、マナに殺されるだろう。だから、あれを殺してはならない。
 どれだけ惨めで、哀れで、苦しかろうと。私は、あれを殺せなかった。封じるしか出来なかった。私は、あれに、私の命をかけることは出来ない。私は、私の命を選んだ。
 あの孤独な竜は、けして私を許さないだろう。
 それでも、だからこそ、せめて、無神経に、祈ろう。


 いつか。誰か。
 あのヒトを、殺してやってほしい。


          キールニー=ガドレ





.

[ 6/16 ]




[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -