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今日、あの弦一郎が倒された。
一年生に、――女に。
あの1ポイントを取る前のロブは明らかに外れだと誰しもが思った、この参謀と言われる俺でさえも。
しかし、それは狙ったようにラインギリギリに入った。…実際、狙っていたんだろうが。
弦一郎に勝つ強さは並大抵のものではない。伊達に皇帝の名をものにしたわけではないのだから。弦一郎の強さは誰もが認める強さ。嘘偽りはない、
しかし、それをあの小さな体で、しかも異性が、倒す。など誰が信じるものだろうか。実際に見ていた俺たちでさえ今一現実味が無いのだから。
あの後、越前空夜について調べればどんどん出てくる情報。アメリカではそれなりに名を馳せており、ジュニア大会では5連続優勝。父親はあの越前南次郎。
並の経歴ではないだろう。それに、父親が彼(か)の越前南次郎、…あの強さにも納得がいく。
ふと記憶から浮上する、生意気な後輩二人。あいつらは似ていないようで似ている。…いや、似て無いこともないな。
そっくりだ。あの最初に出会った時の態度といい、好戦的なとこや生意気なとこ、――挑んできた時の生意気な笑み。まあ、赤也よりは空夜のが一枚上手なのかもしれないな。
幸村に報告したら大層喜ぶだろう、弦一郎は叱咤されるだろうが。
随分、生意気なルーキーが入ってきたものだ。アイツは何かを変えてくれるだろう、そんな予感がする。
「楽しみ、だな」
参謀の考え
(悪くない)