悲報です、冒頭からあれですが悲報です。あれから6年悲しいことに、非っっっ常に悲しいことにリョーマは生まれてきませんでした。


…おとーサン、おかーサン、もっと頑張れよ!私、協力してあげたじゃん!


私が邪魔にならないようにわざわざベットから離れた部屋に行って早く寝てあげたじゃん、何この気持ち悪い気遣い。とか思いながら頑張って寝たんだよ?ゆったりとやれるように…!なんて私って優しいんだろうか、自重?何それ美味しいの?



私は7歳ぐらいにはもう遅くね?と思いつつ2年間頑張って頑張って信じて待ってたけど9歳ぐらいにはもう気付いちゃいました。(気付きたくなかったけど)



私、越前リョーマだわ。普通、居場所をとったとかで罪悪感かんじるのが当たり前かもしれないけど、 残念ながら一切、感じてない。まず私にそんな繊細で優しい心を持ってると思う事が間違ってる。結構な性格をしてると自負している。


まあ、奪ったもん勝ちというやつだ。というか取られる奴が悪いんだよ。理不尽?知ってる。


――話しは変わるが、私、越前 空夜は本来のリョーマより強いかも知れない。まあ何故なんて言わなくとも分かると思う。そりゃ前世の記憶があれば運動の正しいやり方や技についてだって知っている。だからその分越前リョーマより強い。


‥喜んでいい事なのかね。ま、あのくそ親父に勝てないのには変わらない。むかつくことながら手も足も出ないってやつ。


それで、成り代わったと気付いた時から薄々思ってたんだけど越前リョーマの道筋通り私は青春学園に通って全国優勝ってのが気にくわない。

だって私の人生じゃん?リョーマに成り代わったからって青春学園なんて通う理由も義理もないっしょ?


リョーマはリョーマ、私は私。


私の第二の人生は私のしたいようにさせてもらうよ。







『――――…というわけで立海中に行こうと思う』


「は、」

「え」


上がる声は違ったけど表情は同じ。目を丸くする両親にきりっとした表情を作る。



『私、立海中に行く』

「いやそれ聞いた」

『まじか親父、歳だから聞こえてないと思った』


えへ、なんて言って茶目っ気たっぷりに笑ったら親父の額に青筋が立った。わー、怖い怖い。


「――何がというわけで、だ。お前は青学にいくんだろ」

『私はそんな事一言も言ってないけどね』

「…確かにそうよね」

「!母さん、どっちの味方なんだ!!」


おとーサンの怒ったような声にもふふ、と穏やかに笑いさらりと躱すおかーサン。それに重いため息を吐くのは言わずとおとーサン。


「大体なぁ、ばーさんにや娘がアンタんとこに行っちまったし」

『私には関係なくね?』

「お前の性格には本当尊敬するわ」

『それほどでも』

「褒めてねーよ」



はあ、と本日二回目のため息を落とすおとーサン。漫画を見ていた時は飄々としているおっさんと認識していけど実際こうなってみると案外そうでもない。飄々としてるところはあるけど我が家では結構な苦労人、誰のせいかは皆目見当はつかないけど。


「何で立海に行きてえと思ったんだ?」


じ、と逸らすことなく見つめてくるから私も逸らすことなく見つめかえす。私の真剣さを知ってもらうために、


『私、アンタのおかげでテニスを好きになったし楽しいと思えるようになった。楽しいと思うからこそ、極めたいんだよ。立海は屈指の強豪校、―…そこで自分がどこまで上れるか、自分がどこまで食らい付けるか、試していきたい。欲を言えば将来、四大大会に出場できるぐらい強くなりたい。それに――、

正直言って青学とか無理!どこの学校?って尋ねられて私は青春学園なんて答えれる自信がない!その分立海はなんかかっこいいじゃん!』

「うん、最後がなきゃ許可できた」

『え、なんで!?』



成り代わりました
(ちょちょちょ、ぇえええっ!?)






人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -