ヒロイン中学二年


「ねえ、聞いた?昨日の対ルドルフ戦」
「聞いた聞いた!当たり前だけど氷帝のストレート勝ちでしょ」
「あーもうやっぱりテニス部レギュラーの皆さんって素敵〜」
「おまけに強いだけじゃなくて顔もイケてるもんね〜」
「あたし試合応援行ったけどさ、跡部様はもちろん芥川先輩が格好良いの何のって!」
「もーやばいよね!たしか十五分で相手の子倒したんだっけ?」
「あれ実力の半分も出してないって噂だよ」
「素敵すぎる!芥川先輩ヤヴァイ」
「へーそんなすごいんだ」
「ハア。ナマエってほんとこういうの疎いよね。いい、よく聞いてよ?」
「え、いらないいらない」
「聞くの」
「芥川先輩はね!普段は淡白で低血圧で、興味があること以外にはとことん冷めてる超クールな人なの!そのくせテニスはめちゃくちゃ強くて、重要な試合になるとあの跡部様から直々に召集されるの!昨日の試合なんかかかった時間十五分だよ?!顔も超イケメンで女の子にもモテモテ!でもメールとか全然返さないし、告白も全部断ってるところが大人の余裕っていうか自分を持ってるっていうか!それに…



「という会話が今日あったわけよ」
「あっはははははははははは!!」
「いやもう、思い込みってすごいね」
「腹いてえー!俺って超クールな男だったんだー!」
「あー!柿ピーぽろぽろ落とさないでよここわたしの部屋!」
「柿Pうめー」
「…ジローちゃんのこんな姿見たらみんな幻滅どころじゃないね」
「ひどいCー」
「でもさ、淡白とか冷静なんじゃなくてただ眠いだけだよね」
「さっすがナマエわかってんじゃん!」
「伊達に幼なじみやってないっすよ」
「忍足の眼鏡伊達って知ってた?」
「なにそれキンモ」
「だよなーー!キモさも伊達じゃねえのなって言ったらあいつ固まってたウケるー!!」
「…ジローちゃんさあ、そやって学校でももっとキャピキャピしときなよ」
「えー面倒いCー」
「なんでこんなに家とのテンションの差が激しいかな」
「だってナマエに会えねーじゃん」
「…殺し文句!」
「キュンてした?」
「したした。だから柿ピー落とすなって」
「ねえ」
「えーとなんだっけ忍足だっけ?キモいよねー」
「…おまえって超隙ないよな」


いや、裕太を倒したときどんな冷酷キャラかと思ってたら騙されたって人いますよね?
(141018 改変)
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