20年後、静臨。
キャラ崩壊も甚だしいので、許せない方はバックプリーズ
微エロです。お気を付け下さい。








19:04。
寝室のスタンドに置かれたデジタルの時計が点滅しながら、忙しなく、俺に時刻を知らせていた。そろそろ腹、減ったな。空腹を訴える胃がぐるり、と動いているのが分かる。そういや、今日はシチューだったか。美味そうだったな。やっぱり飯食ってから風呂に入れば良かったか。いや、でもあの場合はこいつの誘いを素直に受けておくべきだ。そのおかげで、こういう事に発展したわけだし。と言うか俺が無理矢理持ち込んだ、のか?いや、でも臨也は嫌がってなかった。と思う。思いたい。ベッドに連れて来るまでに少し暴れられはしたが、こいつの本気はこんなもんじゃねえよな。などと考えながら、組み敷いた細く、真っ白な身体を抱きすくめた。臨也、と耳元で囁くと、ふるり、と小さく震える仕草に、俺の心臓は抉られたみたいに高鳴る。飯を食う前に、こいつを食って置かないと、男じゃねえな。いや、むしろ俺じゃねえ。平和島静雄足る者、こいつを食わないで何を食うんだと言う話になってくる。そもそも、こいつ以外食う気は更々ないのだが、敢て言うなら、ということで。そっと、下りた目蓋に唇を寄せて、啄むように何度か唇を押し付ける。
ちゅ、ちゅ、ちゅ。
鳥の囀りのような音が優しく鼓膜を包み込むと、臨也は、隠した真っ赤な瞳に俺を映して、シズちゃん、と笑った。思わず、息を飲む。細められた目尻に、幾つか出来る細い、くしゃくしゃの皺。薄い唇が、てらてら、と僅かに濡れていて、噛み付くように、唇を貪った。差し出される舌先に舌を絡めて、招き入れるように甘く、甘く、噛む。こり、とした感触が心地よくて、何度も繰り返すと、その度にびくり、と震える身体を弄るように撫でた。
シーツに擦れる肌が、艶かしさを増していき、俺の理性を無情にも奪っていく。ぷつり。音を立てて切れるまでに、そう時間は掛からなかった。臨也、臨也。縋り付くように、胸や臍に口付けると、応えるように臨也の唇から吐息と一緒に声が零れる。それと一緒に半勃ち状態にペニスを掌でやんわり、と握り、そっと上下に扱いた。んん、と曇った声に、目線だけを上げる。撓るように、ベッドから浮いた腰を優しい手付きで擦ってやると、潤んだ瞳が俺を睨みつけ、やだやだ、と子供みたいにごねられた。
「…臨也、ほんとに、嫌なら止める。」
内腿を撫でながら、ぐちゅぐちゅ、と先端から先走りを溢れさせるソレに触れ、問い掛ける。顔を両腕で隠しながら、どっちとも付かないような首の振りを見せる姿はほんと馬鹿みたいに可愛かったが、顔が見えないのでは意味が無い。臨也、臨也君、おーい、となるべく機嫌を損ねさせないように声を掛けながら、拳が作られた掌や指先に、口付けを落としていく。根気良く、きつく結ばれた掌に掌を重ね、指先を絡めて、ベッドに縫い付けると、真っ赤になった目元が俺の姿を映した。嫌か?ともう一度だけ目元に唇を押し付けながら確かめる。答えは顔さえ見ればすぐに分かった。だけど、こいつにそう問うてしまいのは、俺のせめてもの意地悪という事にして置こう。
「っ、や、じゃないっ、シズ、ちゃん、シズちゃんっ、シズちゃん、早く、はやくきてっ」
僅かに震えた臨也の左手の指先が俺の頬に触れる。その柔らかな指先に動物のように頬を擦り付けて、応えるように臨也、と掠れた声で呟いた。上擦る声は自分の予想以上に切羽詰っていて、笑みさえ零れそうになる。情けないったらない。上擦ってる事や、こいつに欲情している事ではなくて、こいつの前で格好のいい姿で居れない俺自身に対してだ。臨也はかっこいい俺が好きだと言った。その証拠に、臨也がいつも俺を褒めるときはかっこいい、もしくは、かっこいい。結果かっこいいしか言われないのだが。むしろそれ以外の言葉は聞いたことが無いくらい、俺にかっこいいと言いまくる。逆に言えば好きだ、とか愛してるとか。その類の言葉はまず聞かない。まあ、こいつが言いたくねえならしょうがねえが、俺だって、多少は凹む事だってある。いくら化けもんでもな。立ち直ると言うか開き直るのが脅威的に早いのはあり難い限りではあるけどな。だから、大分前に考えるのを止めた。だって俺がするべき事は一つしかない。こいつがそう望むのであれば、こいつが望むままの姿で居たいと。そうなるように努力するしかないと言う事だ。これが惚れた弱みってヤツなのだから仕方ない。だから、俺はいつ何時何があろうとこいつの理想の姿で居なければならないのだが、今日はそれも出来ないらしい。
幸せってヤツはほんとに恐ろしいもんだ。そう痛感しながら、重なる身体の体温を一つも漏らさぬ事の無いように、細い身体を抱き締めて、腕の中に閉じ込めてやった。
「、臨也、好きだ。愛してる、」
(お前が言えないなら、俺がお前の分まで幾らだって言ってやるよ)






ああ、無情なものね










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