※グロ表現あり。腕切断してます。




「いてえか、臨也」
血まみれのシズちゃんを見上げる。白熱灯の青白い光りの中、その表情は何処か恍惚としていて、俺は目を細めて首を振った。そしてぼんやり、とする意識の中で、思う。本当に、シズちゃんの金色の髪の毛は綺麗だ。髪の毛だけじゃない。瞳だって綺麗だし、唇はしゅっとしてて、綺麗なカーブを描くし。背は高いし、腕も指先も全部、全部長い。ついでに言えばちんこもおっきいしね。とにかく、シズちゃんは全てが完璧だ。シズちゃんは俺の神様。シズちゃんが俺の世界を作って、俺の世界を動かす。なんて幸せなことだろう、と俺の身体は喜びで震え上がった。だって、本当に嬉しいから。でもね、新羅やドタチンは違うんだって。間違ってるって言うんだ。俺やシズちゃんに。狂ってるって。今すぐ、シズちゃんから離れろって。そんな事出来る訳ないのにね。俺から言わせたら、新羅やドタチンの方が頭が可笑しいとしか思えないよ。だって、これが幸せじゃなければなんだっていうんだ。シズちゃんが何時も傍にいて、何時も俺の頭をいい子いい子って撫でてくれて、褒めてくれる時はキスだってしてくれる。よくやったなって。何時もは怒ってる方が多いけど、其れは俺がいけない事をしたからだし、シズちゃんは何にも悪くない。それに、怒った顔だってシズちゃんは十分かっこいいんだから。俺は怒った顔だってシズちゃんであればそれでいいし、その為なら何だって出来るし、何だってして見せるんだ。
それなのに、何でシズちゃんから離れないといけないの?何がダメなの?俺にはさっぱり分からないよ。今日だって、新羅とドタチンが余計なこと言うから、シズちゃんが怒っちゃったんじゃないか。新羅とドタチンの所為で殴られてるんだから、後で見てろよ!朦朧とする意識の中で、そんな事を思いながら、見上げたシズちゃんに微笑む。俺の血液で汚れた綺麗な頬っぺたをごしごし、と左手の服の裾で拭うと、シズちゃんは優しく俺に笑いかけてくれた。そして、おっきな掌が俺の頬に触れ、滑るように首筋を辿る。そのまま肩に触れた細く骨ばった指先が、不自然に途切れた腕の付け根に触れた。途端にかあ、と全身に熱と痛みが走り、あ、と声が漏れる。ぬち、と水音が僅かに耳元を霞め、気が遠くなりそうな痛みに、俺は奥歯を噛んだ。
「なあ、臨也、痛くねえんだよな?じゃあ、触っても大丈夫だよな?触らせてくれよ、いいだろ?お前の骨と肉に触りたい、」
なあ、臨也。優しく優しく、何処までも優しく微笑むシズちゃんの笑顔。断れる訳もないけど、断る訳もない。うん、いいよ、シズちゃん。そっと、指先で、シズちゃんの頬に触れながら、こくり、と首を上下させる。だからさ、ね、シズちゃん。キスして。お願い。震える声で、そう懇願すると、シズちゃんはまた笑って、俺の唇を塞いだ。ちゅ、ちゅ、と触れるだけのキスで戯れてから、舌先が唇を抉り、粘膜を舐め上げる。熱い舌先が、咥内を這い回るたびに、無くなった腕がシズちゃんの身体を掻き抱いているような錯覚に陥った。腕なんか要らないけど、シズちゃんを抱き締められないのは不便だな。ぼやける脳内で考えながら、離れていく唇を追って、残った左手でシズちゃんの首筋を引き寄せた。すると、再び走る強烈な痛みに、声が漏れる。シズちゃんが大声を出しちゃいけないと言ったのに。また殴られる、と思って、左手で唇を押さえると、ぐちぐち、とシズちゃんの左手の指先が俺の切断された腕の断面を抉った。どくり、どくり、と胎内から着々と血液が無くなっていくのが分かる。だが、何故か目は冴えていて、心臓が高鳴った。多分、目の前のシズちゃんが余りにもかっこいいからだと思う。俺の血に塗れたシズちゃん。其れは、まるで俺のナカに居るみたいで、興奮のあまり勃起した。やっぱ、俺も男だな。シズちゃんにバレたら、馬鹿だなってこつんってされるかも知れない。でもそれでもいい。だって、シズちゃんも勃起してるから。こんなに嬉しい事は無いでしょ。
自分の意識とは震える左手を必死に伸ばして、黒いパンツを持ち上げる、シズちゃん自身に触れる。血の気を失った冷えた指先にはシズちゃんの其れは火傷しそうなくらい、熱くて、俺はぶるり、と全身を震わせた。触れれば触れるほど質量を増していくソレ。俺は夢中になって触れる。頭の中ではすでに、ソレをしゃぶって、舐めて、それから俺のナカを抉る妄想で一杯になって。堪らず漏れた、吐息に、シズちゃんは、呼吸を奪うくらいの口付けをした。シズちゃんのペニスに触れていた左手が握られて、拘束されるように、フローリングの冷たい床に縫いつけられる。それでも、シズちゃんの身体が抱き締めたくて、触れたくて、もがくと離れた唇が、綺麗な弧を描いて俺の目の前に晒された。
「いけねえなあ、いけねえよなあ?臨也君よお、勝手に動くなって何時も言ってるのにな。これじゃあ、こっちの腕も、」
切るしかねえな。シズちゃんは笑って、俺の耳元で低く囁いた。それはまるで、愛の告白みたいで、俺は嬉しくて、嬉しくて、どうしようもなく嬉しくて。うん、シズちゃん。掠れた声でそう言った。左腕も無くなれば、シズちゃんを本当に抱き締められなくなる。それは分かっているけど。それ以上に、俺の中は歓喜で溢れていた。まだ、シズちゃんと居られる。まだ、シズちゃんが飽きずに居てくれる。まだ、シズちゃんが俺の身体を求めて、興奮してくれる。それだけで、俺はもう、十分だ。だって、シズちゃん。知ってる?君は出会った時から、俺の、俺だけの。

「……神様、だったんだよ、」






愛の真似事を浴室で









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