「ごめん。」
静まり返った教室で俺は幼なじみの円堂に謝った。
エイリア学園の一件が片付いてから1ヶ月。
「本当にごめん、円堂。」
力が欲しかった、強くなりたかった、それだけを求めていた俺は仲間を裏切り、自分を裏切り、円堂を裏切り、エイリア石に身を委ねダークエンペラーズを率いて円堂に勝負を挑んだ。
たくさん仲間を傷つけた。
たくさん円堂を傷つけた。
きっと、俺がキャラバンを離脱して円堂はたくさん自分を責めたんだろう。俺がダークエンペラーズのキャプテンとして、円堂の前に現れたときも。
だからこそ、ちゃんと謝らなければいけない。
「円堂、俺――」
「なあ、風丸。」
俺の言葉を遮って、円堂は話はじめる。
「あんまり自分を責めるなよ!」
「え…?」
「お前が辛そうな顔してると、こっちまで辛くなる。風丸にはいつも笑っててほしいんだ。」
「でも、俺はお前にそんなことを言ってもらえる人間じゃない!」
「風丸…」
「俺はお前を傷つけたんだっ!お前は立ち向かおうとしてた!でもっ…俺は…っ!」
「馬鹿野郎!!」
「そんなこと、どうでもいいだろ!?そんなことで悩んで、謝るくらいなら、それを糧にして前に進めばいいだろ!?」
「円堂…」
「今のお前に足りないのは勇気だ!自分がしたことをしっかり受け入れる勇気、そうだろ風丸!」
「受け入れる勇気…」
確かにそうかもしれない。
俺は俺自身から逃げていたのかもしれない。いや、逃げているんだ。
円堂のおかげでエイリア石から解放されて、円堂のおかげで見失いかけた自分を取り戻すことができる。
「それに、大好きな風丸には風丸らしくいてほしいからな!」
なんて、キラキラの笑顔を俺にむける。
「ありがとう、円堂。俺も大好きなお前の為にも、あのことを糧にして進むよ。」
俺はこれからも円堂とともにすすむ。
円堂の真っ直ぐすぎる笑顔が、きっと、俺の進むべき道を照らしてくれる。
だから
「円堂、お前はいつも真っ直ぐでいてくれよ!」
-end-