言っておくけど付き合ってない
わたしと田噛は仕事仲間であり、同僚である
まぁ、一方的にわたしが好きなだけ
断られるのが怖くて告白はしてない

でも一緒に居たくて、田噛が本を読んだりギターをいじってる側で横になったり、凭れかかったりしている
田噛も怒るかと思いきやまさかの無反応なので勝手にさせていただいてる(正直女子として無反応はショックだったけど)

そんな片思いを続けていたら周りに勘づく者が出てきてもおかしくない
案の定平腹が興味本位に田噛にわたしと付き合っているのかどうかを聞いていた
廊下でそれを盗み聞きしてしまったんだけど、その時田噛は
「は?付き合ってねぇよ」
と答えていた

うん。間違いないんだが改まって言われるとなんだか悲しくて、しかもあの鈍感野郎の平腹にまで勘付かれたと知り、このままでは田噛に迷惑がかかると思って部屋に行くのをやめた

最初は寂しくて寂しくて本当に辛かったけど、木舌と飲みに行ったり、佐疫とピアノを弾いたりなんとか田噛の事を考えないようにした
そんな日が何週間か経った頃
仕事が終わりベッドでくつろごうと着替えていた時だった

はぁ、脚が、痛いぃ…
「おい、」
「うわああっ?!へ、ぇっ…………た、た、田噛?!ちょっと待って何してんの?!てかきゃーーー!!」
「ちょっと黙れ」

口を手で覆われて声が出せない
「とりあえず落ち着け、他の奴がくんだろうが。手、離すけど叫ぶなよ」
とにかく縦に頷く
「一応ノックくらいしてよ…」
「どっかの誰かもノックせずに上がり込んでたけどな」
「うっ…その節はすみませんでした…もう勝手に上がり込んだりはしませんので」
「それ。なんで急にこなくなったんだよ。平腹に何か言われたのか?」
「違うよ…ただ……やっぱりベタベタされたら嫌かな〜?て思ってさ?」
「今更何言ってんだ?気使うとかしたことねぇくせに」
「サラリとひどいね。さすが田噛くん」
「本当の事言えよ」
「それが本当です」
「嘘だな」

はぁ…こんな押し問答を続けてなんの意味があるんだろう

「田噛、何が言いたいの?」
「……べつに」
ここでわたしは大事な事に気付いたのだ
ズボンを履いてない
「あ、あの…田噛…とりあえずあっち向いててくれるかな?」
「あ?」
「その…着替えたいから…」
「やだって言ったら?」
両手を掴まれ動けない。
「はい?!も〜いいから離してっ!」
「お前が本当の事言ったら離してやるよ」

楽しそうに上がった口角と脚が閉じれないように入ってきた田噛の脚に背筋がゾッとするのを感じた










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