「ねぇ、名前〜。今日の英語ってスピーチテストあったっけ〜?」

「水曜日じゃなかった〜?」



初めて廊下で君とすれ違った時
僕は君のかおりに恋をした





いつものようにたわいも無い話をしながら名前と帰る

まだ話し途中だから、と名前を家によんだ
でもそんなのは口実で本当は何日も前から計画してた



カチャカチャ、ガチャッ

「はい、どうぞ」
「……おじゃまします」
「ふふ、いらっしゃい」


「適当に座っていいからね」
「うん」


名前が僕の部屋にいる…なんだか不思議なかんじだ

なんだか緊張で息が詰まる
ベランダの扉を開けて新鮮な空気を取り込む

「…あ、
飲み物水しか無かった…ちょっと買ってくるね」
「え?!良いよ、水で」
「いや、僕も飲むしいいよ。すぐ買ってくるから名前くつろいでて。何がいい?」
「何でもいいけど…じゃあ烏龍茶」
「はい」




ガッチャン、

「はぁ……」
何やってんだ…僕は
本当は飲み物は色々冷蔵庫に入れておいた。名前が飲みたいものが分からなかったから
だけどなんとなく落ち着きたくて嘘をついてしまった

とりあえずコンビニで烏龍茶を買う

今日こそちゃんと言わなければ
名前にとって僕はその他大勢だと思う

名前が誰とでも2人きりで遊んだり、家にあがったりするようなタイプじゃないのは僕が1番よく知っている
だからこうやって2人だけで遊んだり、家に来たりするって事は少しは僕に好意があるはず

僕は名前のその他大勢なんかじゃなく、特別な存在になりたいんだ



ガチャ、


玄関から名前の姿を目で探す
ん?どこに行ったのかな

ゆっくり進むと名前の脚が見えた
ベッドの上…寝ちゃったのか?…
静かに近づく



「はぁ……………

カヲルのにおい好き………、、、

カヲル、……好き…」


驚きで静かに息を飲む



「僕も好きだよ」

「!!!!!!!!?」

しまった、思わず告白してしまった…
驚いた表情で名前が顔をあげる

「カヲルいつからいたのっ?!」

「2、3分くらい前かな?」
冷静を装うが心臓が激しく鼓動する
驚き、嬉しさ、動揺…色んな感情が溢れてきて一体今自分がどんな顔をしてるかすら分からない


「てか、今…好きって…え…ええっ?!」

「ん?好きだよ。名前のにおい」

「あぁ…あたしのにおいね」

違う、僕が好きなのは…

「ごめん…勝手にベッドで寝転んでた、」

「いいよ、」

意を決してベッドに乗り名前の横に寝転がり向かい合う形になる
ベッドが2人分の重さで軋む

「〜〜〜!あ、烏龍茶飲もうかなっ」

「名前のにおい好きだよ。……名前…好きだよ」

名前の良いにおいの髪を手にとりさっき名前が言ったセリフと全く同じように言う

名前は真っ赤な顔で困惑のような嬉しさのような複雑な顔で黙って僕を見つめる


ねぇ、名前
君にとって僕はもう特別な存在なんだって自惚れてもいいんだよね?
君のかおりが、体温がこんなに近くから感じる


さわさわとカーテンが揺れ風が入ってくる










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