02



日曜日の夕方。父と次男は仕事。長男は友人と出掛けて不在。三男と末っ子は昼寝中。母と四男と五男はダイニングにてゲーム中。
時計が四時半を回った頃、アレッダがゲームを中断して一度ダイニングを去った。トイレか?と二人は首を傾げてアレッダを待っていれば、しばらくしたら財布と車の鍵を持って現れた。


『買い物行くけど来るか?』

「ミーは行きますよー」

「なら俺も行く。あ、帰りでいいからゲーム屋寄って」

『はいはい』


スクアーロが起きて来た時用に、と言い、適当な紙に書き置きをし、三人は買い物に出掛けた。



*****



『…さすが日曜日の夕方。いつもより賑わってやがる』

「もっと早く来れば良かったですねー」

「いつまで入口にいんの?」


人混み嫌いーと入口で立ち止まる母の背中を押し、ミー車に戻りますーと駐車場に戻ろうとする弟の襟を掴んでいざ店内へ。ガヤガヤと賑やかな店内は、至る所でプチ戦争が勃発していた。


『よし、今日は外食にしよう』

「母さんの意見に激しく賛成しますー」

「いきなり外食になるのはこういう事があるからなんだな。オッケー、理解した」

『おば様達の中に飛び込んで行くなんて俺には無理だ』

「だろうな。母さんがあの中で戦ってたらちょっと引く」

『どういう意味だよ』

「母さんが全力で1パック298円のひき肉を奪い合っている姿なんか見たくないって事」

「ミーも同じですー。戦争が終わった辺りに残り物を買って行く姿なら何度も見ましたけどねー」

『俺は戦わずして勝つ方が好きだからな』

「さすがは母さんですー」

「しししっ、ヘタレなだけじゃん」

『温厚って言え。ゲーム屋行かねぇぞ』

「ふざけんな」

『お前がな』

「こんな所で喧嘩しないでくださいよー。ミーはスクアーロ兄さんと違って喧嘩を止める方法なんか知らないんですからー」

「チッ。後でぷよ○よで負かしてやっからな」

『俺苦手なんだけど』

「しししっ」



*****



『ただいまー』

「ただいま帰りましたー」

「あれ?スクアーロとマーモンじゃん。いつ起きたの?」

「さっきだぁ」

「おかえり三人共」

『ただいま。なぁ、何で玄関にいんの?』

「荷物持ちだぁ」

『あー…悪いスクアーロ』

「荷物はミー達が買ったこのゲームソフトだけですー」

「…は?」


フランがスーパーでの出来事を全て説明してやれば、スクアーロ特有のゔお゙ぉい!が飛び出た。ただし、いつもより少し「お゙」が長めである。


「テメェまたかアレッダ!」

『母さんと言え』

「うるせぇ!またそんな理由で買い物やめやがって…!」

「落ち着けよスクアーロ。母さん殴ったら父さんぶちギレるぜ」

「殴んねぇよ!」

「スクアーロ兄さんならやりかねませんけどねー」

「ゔお゙ぉい!」

『うるせぇな…おいでマーモン。ザンザス達が帰って来るまで寝よう』

「母さん、僕さっきまで寝ていたんだけど」

『寝る子はよく育つからもっと寝ろ』

「あ、じゃあミーも一緒に寝ますー」

『可愛い奴め』

「おいアレッダ!…チッ」

「末っ子と五男に取られたからって拗ねんなよな」

「拗ねてねぇ!…買い物行ってくる」

「晩飯カレーがいい」

「はぁ…」



苦労人な三男
(あ、スクアーロー、車乗っていいから帰りにガソリン入れてきてー)(まだ無免だぁ!)(大丈夫だって。もし無免って警官にバレたら踏み倒せ)(できるかぁ!)




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