練習の合間。ごくり。ドリンクを一気に飲み込んだ。そうしたら器官につまって、むせって。ゴホゴホと咳こんでしまった。



「だいじょーぶ?」
「あ…、か、カントクっ!は、い……」


達海監督は訝しげな視線を向けて、首を傾げた。
そうしたら、今度はスッと腕が伸びてくる。その手は俺の手からボトルを奪った。ちょーだい。そんな可愛らしい言葉の返事を返す前に、監督の喉仏が上下する。



「あ、ぅ、か…監督?」
「あ、ごめん。飲んじゃ悪かった?」
「いや、その……お、おれ、監督の分、もらってきますっ!」
「椿やさしー。でもいらないよ。ごちそうさん。なんでそんな緊張してんのさ?」
「や、だって……」


片想いの人との、か、間接キス……。そう頭の中で繰り返したら顔が一気に熱くなった。
情けなくって思わず俯いた。


「あ、もしかして間接ちゅーとか思ってる?」


恐る恐る顔を上げた。からかってるんです、か?…って言おうとした。なのに、


「か、監督?」
「や、なんでもない!ごっそうさん!」


慌てて顔を逸らして、去ってしまった。



一瞬見れた、監督の表情。赤くなってた……。
意識、してくれてるのかな、とか思っちゃった。
自惚れかも、しれないけど……。


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