クスクス揺れる体に一度身を引いて顔を窺う。すると、またギュッと抱き締められ距離が縮まる。

「さっきから、くすぐったいですよ」
「嫌だった?」
「いいえ。全く」

年下の彼の特徴でもある目元に、執拗なほど唇を落としていたことに対してどうやら笑われた。

「たれ目、かーわいな」
「達海さんに言われたくないですよ」


同じように、仕返しとばかり目元にちゅっ、とキスをされる。子どもの戯れのようなそんな可愛らしいキスは悪くない。でもね、


「くーまー」
「なんですか?」
「そこじゃなくて、こっち」

指で唇を指し示すとほんのり染まった頬。いいんですか?という瞳が俺を見つめる。


「監督命令でーす」
「それはズルいなぁ」



苦笑した熊田がゆっくりと唇を重ねてくるから俺は速まる鼓動を隠しつつ瞼を閉じた。




欲張ったってもいいんだぜ?



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