あかいぬさんはいいました。

「きしゃないもんは見ちゃぁ駄目じゃ」

そういってわたしをまちからとおざけました。

きざるさんはいいました。

「外は怖いもので一杯だからねェ〜〜」

そういってわたしをおへやへととじこめました。

あおきじさんはいいました。

「誰にも見らられない様にしないとな」

そういってわたしをひとめにつかなくしました。


ここがどこだか分かりませんがきっと誰もこられないような場所だというのは言えるでしょう。
そして誰もそこに私がいるということも知らないでしょう。
知っているのは赤犬さん、黄猿さん、青雉さんの三人だけで他は……まぁ知っていても関係はないですけどね。
何回も読み返している黄猿さんからいただいた本をぺらぺらとめくる。
丸暗記したと思えるくらいに内容をおぼえてしまったので少しつまらないがないよりかはましなものです。
そういえば、今日は三人のうち誰がきてくれるのでしょうか。
そう考えていると外側からたくさんのカギを外すおとが聞こえ大きなとびらがゆっくりと開けられた。

「よっ。はいお土産」
「こんにちは。おみやげ?……わぁっ!」

今日は青雉さんがきてくれました。
お土産といわれてわたされたのはふわふわの大きなくまのぬいぐるみでした。
前に私がぬいぐるみが欲しいとこぼしたから買ってきてくださったのでしょう。
うれしくなってぬいぐるみをだきしめればお花のかおりがしました。

「気に入ってくれたかい?」
「はい。ありがとうございます」
「良かった。名前ちゃんの笑顔が見れておじさん嬉しくなっちゃうねー」

大きくてひんやりとした手が私のあたまをなでました。
青雉さんはこうして沢山のおみやげを持ってきては私のはんのうをうれしそうに、楽しそうに見ます。
ですが本当にそう思ってるかは分かりません。
だって、青雉さんの目はうれしそうとか楽しそうな目をしていないからです。

してないからです。