俺の腹の上に頭を置いて眠るダンテのつんつんとした黒髪を摘まむ。
ワックスも合わさって更にハリネズミに近い髪質は手の平で受ければ痛痒いが気持ち良い。
そのまま弄り続けていると「あ」とダンテが言葉を漏らした。

「忘れてた」
「何が?」
「あー、すっかり忘れてた。うん」
「だから何だが」
「アレ無いと困るっちゃ困るんだよなー」
「ダンテ。俺の言葉聞いてる?」
「買いに行くのもダルいしfirstは枕だし…」
「俺無機物扱いなの!?」
「んー…。兄貴に頼むか」
「ねぇ!?ちょっとダンテくん!ねぇっ!」

結局ダンテは俺の事を無視してお兄さんに電話して何かを頼んだ。
しかし頼んだ物がヤバかった――実の兄貴にコンドーム買ってこさせるなよ!