腕にポポカリムちゃんを抱いたジェイクをアルバートが胡坐を掻いた上に乗せている。
微笑ましい親子達に頬が緩むと気付いたアルバートが手招きをする。

「どうかしました?」
「そんな所で一人でいるな」
「あらあら。邪魔をしては駄目と思って…」
「何時俺が邪魔だと言った。お前は俺の隣にいろ」
「…ふふ。分かりました」

手で自分の隣を叩き示したのでそこに座るとジェイクが眠そうに目を擦るのが見えた。
さっきお昼ご飯を食べたからだと分かり掛ける物を取りに行こうとするがアルバートに服の裾を掴まれ動けない。
するとアルバートは羽織っていた上着をジェイクに掛ける。

「ぅうーん、ままぁ…ぱぱ…」
「ママはここよ」
「俺はここにいる。寝なさいジェイク」
「んやぁーっ。あそぶ、の…ポポちゃんぅ」
「ちゅぃー…」

腕に抱いたポポカリムちゃんを抱き締め遊びたいとぐずるが少し経つと静かな寝息が聞こえ始めた。

「…寝ちゃいましたね」
「寝たな」
「寝顔…貴方にそっくり」
「口を開けて寝るのはお前そっくりだな」
「まぁ。私開けてます?」
「ああ」

他愛無い会話をしながら息子の寝顔を見るという幸せに胸が暖まった。
アルバートは私の肩を抱き引き寄せると頬にキスをする。

「っ吃驚しました」
「ジェイクがいるからな。これでも抑えた」
「…今ジェイクがいて良かったと思いました」

ニヤリと笑うアルバートの剥き出しのオデコを弱く叩く。
油断した隙にジェイクを奪い取り安全体制に入るがアルバートは目を光らせると私の脇に両手を入れジェイク(ポポカリムちゃん含む)ごと持ち上げ膝の上に乗っけた。

「!?」
「まったく。夫に手を挙げる妻がいるか」
「卑怯ですアルバート!人質(ジェイク)を取るなんて」
「人聞きの悪い言い方をするんじゃない。何もしないから落ち着け」
「当たり前ですっ」

お腹に腕を回され固定されてしまい逃げ場を失った私にアルバートは楽しそうに笑う。
諦めてアルバートの広い胸に身体を預けることにした。