firstは天蓋付きのベッドで眠るバージルの寝顔を見詰める。
絡む事が無い銀色の髪、伏せられた睫毛から伸びる長い睫毛。
薄いが弾力のある唇にスラリとした鼻筋。
バージルの容姿は正に美青年という言葉が相応しいとfirstは胸の中で頷いた。
顔だけではないスタイルだって抜群である。
なのに何故自分を選んだとfirstは時たま考えてしまうのだ。
バージルにしてみれば下らない事を考えている暇があるならもっと自分を愛せとストレートな事を言って押し倒してくるだろう。

「バージル…私はたまに不安になる…」

眠る恋人の額にそっと唇を寄せた。
ちゅ、と小さなリップノイズをきかせfirstはバージルの横に並んで眠りについた。
数分もすれば寝息が聞こえそれを見計らって実は起きていたバージルが上半身を起こしfirstに向かい微笑んだ。

「まったく。馬鹿な女だ」

呆れと優しさを含んだ声でそう言うとバージルはお返しとfirstの額にキスをした。