BSAAには「BSAAの若きエース」と呼ばれるピアーズ・ニヴァンスと同じ位優秀な隊員がいると聞いた。
実は今度の任務でその隊員と同行することになったのだ。
どんな人物か考えながら指定の待ち合わせ場所まで歩いてると隊服を着た長身の男が姿勢正しく立っていた。
彼が今回のパートナーか。

「やぁ。待たせたかな?」
「あ。い、いえ!大丈夫です!自分も先程来たので!」
「そうか。俺はレオン・ケネディ」
「first・familyです。宜しくお願いします!」
「そんな硬くならないでくれ」

気楽に行こうとfirstの肩を叩くと緊張が解けたのかふにゃりと崩れた笑顔を見せる。
…昔、近所にこんな犬がいたのを思い出した。


firstのお陰で任務はスムーズに行えた。
噂通りの腕前で吃驚したと言うと顔を赤くして否定しまくられた。

「じじじ自分なんてそんな!ケネディさんが居てくれるからこそです!」
「はは。謙虚なんだな」

そう言いながら襲い掛かる敵を見ないままヘッドショットを繰り出すfirst。
クリスは優秀な部下を持ったなとのんびりと思ってるとハニガンから通信が入った。

『レオン。順調かしら?』
「ああ。firstのお陰だ。first。オペレーターのイングリッド・ハニガンだ」
「初めまして!first・familyです!」
『あなたがfirstね。男所帯の中に女一人だと大変でしょう』
「そんな…皆良い人ですから」
「何を言ってるんだハニガン。あそこには女性なんて居ないだろ?」
『は?』「え?」
「…………ん?」

次の瞬間。鼓膜が破れる勢いでハニガンに怒られた。

高い身長。短く切られた髪。日焼けした肌。愛らしさより勇ましさのある整った顔。
声も低かったので完璧に男だと最低な勘違いをしてしまった俺は今firstに向かって頭を下げている。

「すまなかった」
「もう大丈夫ですから!自分こんなんなので勘違いはよくされるので気にしてません…っ」
「でも…」
「終わりです!もう終わり!」

firstは俺の肩を掴み顔を上げさせる。
少し怒ってるように見える切れ長の瞳と目が合いこれ以上謝ると返って不機嫌にさせてしまうと感じた。
本当に気にして無いようでfirstは「ケネディさん。早く終わらせて一緒にメシでもどうですか?」なんて聞いてくる。
俺は間を空けずに頷いた。





「クリス。firstは良い子だな」
「!?ウチの子はやらんぞ!?」
「いや。そういう意味じゃ…」
「ピアーズ!ピアーーーズ!!」
「イエッサー!」
「ちょ、ちょっとまっあうぅん」