自慢のナイフに夢中になっているクリスマスは凄く色っぽい。
特に横顔が。
少し伏せた目蓋から伸びる睫毛も、すらっとした鼻も、きゅっと閉じられた唇も。
何よりも色っぽいのは真剣にナイフを見る瞳だ。
俺に向けるよりも熱を込めてる気がする。

「……じろじろ見やがって。なんだよ」
「……」
「おい。聞いてんのかっ?」
「……あ、すまん。何だって?」
「おま、はぁ。もう良い」

余りにも夢中でクリスマスを見てたもんだからクリスマスが何を言ったが聞き逃してしまった。(まぁ、俺の事だと思うけど。)
クリスマスは俺以外の前でも手入れをしてるんだっけ。
では。この姿を俺以外が目にするって事だな。
そう考えると、

「あんまり人前でナイフを手入れしないで欲しいね」
「は?」
「妬けてしまいそうだから」
「はぁ?」

意味わかんねぇと言って俺を見てたクリスマスはまたナイフに夢中になった。
ほんと。妬けちまう。