セルティ・ストゥルルソンと初めて会った時、それほど驚きはしなかった。この広い地球上には色んな人間や動物がいて、私が知らなかったり見たことも無いような生物なんてものは果てしなく存在しているのだから、伝説上の生物が実在していてもおかしくなんかないのだ。

『ねーセルティ』
「なんだ?」
『セルティは初めて私と出会った時、どう思った?』
「どうした、突然」
『んー、何となく』
「相変わらず不思議なやつだな、◎◎は」

カタカタカタ、とPADにものすごい早さで打ち込むセルティ。表情こそ分からないけど、喜怒哀楽はちゃんとあるし、実は結構分かりやすい。

『だってセルティの周りって男ばっかりじゃん、女の子の友達ってきっと私だけでしょ?』
「友、達…」
『うん、友達』
「…」
『え、もしかして私の自意識過剰だった!?』
「友達…」
『嫌ならハッキリ言っていいからね!そんなこんなどんなセルティもあたしは丸ごと愛してるんだから!』
「◎◎!!」
『うわっ』

黙り込んだかと思いきや、突然あたしに向かって勢いよく飛びついてきたセルティ。なんだなんだ

「私は嬉しいよ!」
『ちょ、何、どしたのセルティってば』
「友達…」
『え、何々?セルティ打つの早いなぁ』
「◎◎は私の友達だ!」
『うん?』
「初めてだよ!」
『ん?何が?』
「友達が、だ!」
『…ん?』
「私に友達と呼べる存在が出来たのは初めてなんだ!」

多分、セルティのこういう所が好きなんだと思う。今のセルティに表情をつけるとしたら、きっとものすごいキラキラと瞳を輝かせながら満面の笑みであたしを見ているんだろう。なんて思ったらすごく可愛くて愛しくてたまらなくなった。あぁやっぱりセルティ大好きだ。新羅には渡したくない。もったいない!

『あーあ、私もここに住もうかな』
「!いいじゃないか!とても素敵な案だ!」
『でも新羅は絶対嫌がるよね』
「新羅は私が見張っておくから安心していいぞ」
『いや、そこは心配いらないんだけどね、あいつは多分私が全裸で目の前に現れたとしても何とも思わないだろうし』
「そんなわけあるか!」
『いやいやいや』

そんなわけあるんだよ、セルティ。あの変態メガネはセルティにしか興味ないからね。他の女に性的な感情を抱く事なんか無い、絶対に。

「◎◎は可愛いし、スタイルもいいからな」
『セルティに言われたくないよ、大体セルティの方が乳デカいし』
「◎◎はこれからまだまだ成長するぞ!」
『そうかなぁ』
「まだ十代じゃないか」
『うん』
「未来は明るい」
『よーし、じゃあ今の内に御利益を』
「ん、何だ?」
『セルティの乳に』
「ま、待て◎◎、何をするつもりだ」
『何って』
「その手は何だ!?何を構えてる!」
『やだなーもう、セルティってば分かってるく、せ、に』
「や、やめっ…」
『御利益、御利益』

身の危険を感じ取ったのか、若干怯えながら後ずさるセルティもやっぱり可愛い!こんな姿、きっと新羅が見たらやばいだろうな。なんて思いながら、私の手がセルティの豊かな乳に触れた瞬間、勢いよくリビングの扉が開いた。

「ちょっと◎◎、僕のセルティに何してるの!」
『…うわ、新羅』
「私はお前のものになった覚えは無いぞ」
「全くセルティは照れ屋さんなんだから、ほら◎◎離れなさい」
『あああ私の御利益が…』
「バカだなあ、セルティの胸を拝んだところで◎◎の胸が大きくなんかなるはずないだろ」
『その眼鏡かち割るよ』
「それにもっと他の方法がある」
『なになに?』
「例えば揉んでもらうとか」
『はぁ?』
「あ、もちろん僕は無理だけど、静雄とか臨也とかさ、頼んでみなよ」
『ふざけんなよ駄メガネ』
「僕はセルティ以外の女性には興味も欲情も何も湧かないからね!!」
『本当気持ち悪いこいつ』
「仕方無いだろ」
「何が仕方ないんだ」
『まぁいつもの事だよセルティ』
「そうだよ、これというのも全ては愛故さ!」
『そろそろ私帰るね、新羅がうざったいから』
「なんだ、もう帰るのか?」
『新羅がうざったいから』
「ちょっと◎◎、二回も言わなくていいだろ?」
「いや◎◎の気持ちは分かるぞ」
「セルティまで!?」

新羅の暴走が始まる前に帰るとしよう。今日はゆっくりセルティと話せたし、乳まで拝めたし、満足だ。そしてやっぱり新羅はきもちわるい。

「本当に帰るのか?」
『うん、新羅がうざったいからね』
「三回言った!」


.
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -