なんかすっごいイケメンが近くのローソンで働いてんだけど、マジでイケメンだから今度行ってみなよ。いるか分かんないけどいたらすぐ分かるよ本当イケメンだからさっ。なんて、二日くらい前に地元の友達が言ってたのをふと思い出した。べつにそんなに興味は無かったけど、そんなに言うならどれ見てやるかと思ってローソンまでやってきたのである。

『…』ガー
「いらっしゃーせー」
『…』ガー
「あーざーしたー」

ちょ、待て待て待て。あたし今何見た?何が見えた?イケメン?え、イケメン?なんかいたけど。いやイケメン…うん、まぁイケメンだけど…つーか。

「何してんのお前」
『おおお沖田かよ』
「目合った瞬間に出てってんじゃねーよ」
『…あんたこそ、何してんのこんな所でそんな格好して』
「見れば分かんだろィ、勤務中」
『…いつから』
「五日前」
『聞いてないんだけど』
「言ってねェもん」
『言えよ』
「いいだろ別に」
『なんでまた急に』
「金足りねーって思って」
『…』

ああそういやそんな事言ってたかも。珍しい。何買いたいんだか知らんけど。でも接客は性に合わねぇから気長に探すとか言ってたじゃん。

「コンビニは愛想振り撒かねーでいいから結構楽だぜィ」
『めっずらしい』
「まぁたまに俺を見るためだけに来るような女もいるけど」
『…』

ああそれ多分あたしの友達!なんて言えない。でもって友達にもコンビニのイケメン店員は実はあたしの彼氏でしたハハハ!なんて言えない。黙っとこう。

「で、お前は何買いに来たんでィ」
『アイス』
「あー、そ」
『と、リラックマキャンペーンのやつ』
「あーなんかいっぱいあったな、もらっといてやりまさァ」
『マジでか!沖田ラブ!』
「ハイハイ」
『何時に終わるの?』
「今日は10時上がり」
『いっつもそんなん?』
「まぁな」
『週何?』
「4」
『なーん、働くね〜』
「おー」
『そんなにお金欲しいの?』
「まぁ」
『ふ〜ん、何買いたいの?』
「べつに」
『…』

なんだそれ、別にって。お前はソウゴ様か。つーか週4とか、あたしとほとんど会えねーじゃねぇかよってまぁそこは別にいいんだけど、そこまでして欲しい物って一体なんだ?逆に気になるな、カバ沖田。教えやがれ。

「ほら、あれだよ来月」
『うんうん?』
「お前あれだろ」
『うん?』
「誕生日だろ」
『うん』
「だから」
『…』

え、じゃあもしかしてもしかしなくてもあたしの為?あたしの誕生日の?その為にあのめんどくさがりで飽きっぽくて我が儘でドSな沖田がコンビニなんかでバイトしてんの?何だそれ、そんなのって。

『愛を感じるじゃない!』
「早く帰れよ」



yes!ツンデレ王子/220523
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