不法侵入(※会話のみ)
朝、目が覚めると部屋に臨也さんがいて私の上に跨っていました。
「………え、なにこれ夢?」
「違うよ、現実。ハハハ、やだなぁー真緒ちゃんってば夢に見たい程俺の事好きだったの?俺も毎日君の事を夢に見てるよ。昨日の夜も夢の中で君を組み敷い…ぶっ!!」
「人をいやらしい妄想に使わないでください」
「目覚まし時計で思い切り殴るなんて中々過激な愛情表現だね。でもそんな真緒ちゃんを益々鳴かせてみたくなるよ」
「愛情表現じゃないですし、色んな意味で危険な発言ですけどいちいち気にしてたら話が進まないのでもうどうでもいいです。で、何で私の部屋に居るんです?ていうかどうやって入って来たんですか!?」
「もう駄目だよ、若い女の子が1人暮らししてるのにチェーンを掛け忘れるなんて」
「すみません、答えになってないんですけど。でも再犯を防止するためにその忠告は聞いておきますね。まぁここは5階だしその発言からして玄関から入ったと考えるのが妥当みたいですね。鍵はどうやって?」
「それは情報屋の秘密」
「……ウィンクしても気持ち悪いだけなんで。大体秘密なんて言葉で許されると思ってるんですか?これ立派な犯罪ですよ。不法侵入っていうね!」
「犯罪だなんて大袈裟だなぁ。大体そんなに怒ることじゃないでしょ、愛し合う僕らの間にあった邪魔な扉をちょっとこじ開けただけなんだから」
「だからそれが犯罪だと言ってるんです。そもそもあるのは臨也さんの一方通行な愛だけですから。あなたがやってるのはただのストーカー行為です」
「相変わらずつれないなー。でも俺そんな真緒ちゃんが大好きだよ」
「はいはい、そうですか。重いのでいい加減に退いてください」
「嫌だね。動けるようになったら絶対俺のこと追い出すでしょ」
「……ハァ、もう今更追い出す気力もないですよ。お茶くらい出しますから」
「え、本当に?」
「大体普通にうちに来たいって言ってたなら招いたのに。セルティと一緒なら、ただの友人として」
「あ、そこ強調するんだ。しかも俺1人だと拒否?」
「そもそもなんでこんな事したんですか?」
「えー、それは真緒ちゃんが起きてたら出来ないことをするためだよ」
「は?」
「例えば寝顔をみるとか……」
「………恥ずかしいけど臨也さんがする事にしてはまともなんで、まぁ許します」
「あのタンスの一番上の右側の引き出しにある下着をぬずぶぅっ!!!」
「前言撤回、今すぐ出て行け。そして二度と私の前に現れるな!!!!」
(はいはい、分かりましたよ〜)
(……その膨らんだポケットに入ってるものは全部置いていってくださいね)
(チッ)