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貴方に出会ったのは僕が生徒会に入ってしばらく経った頃だった。
いつものように生徒会室に向かう。今日は書記の夜久さんが部活なので1人で向かう。
ガラッとドアを開け中に入る。
会長がいつも座っている席に今日は赤い髪の女性が椅子に座り寝ていた。 起こさないように静かに近寄った。
「……ん?」
目を擦りながらもう放課後かぁと呟いた。 僕は紅茶を入れ彼女に差し出した。
「随分お疲れなのですね」
「ちょっとね、能力(チカラ)を使うと眠くなるだけ」
能力?と尋ねると彼女は紅茶を一口飲み、星詠みのだよと答えた。 彼女は星詠みの力があるらしい。
「何か見えたねですか?」
「うん、ちょっとね。そうそう君誰?」
「生徒会副会長の青空颯斗です」
「高見明希、よろしく。いつもかず君が迷惑かけてごめんね」
「迷惑なんてかけてねえーよ」
「かず君に聞いてない。青空君に聞いてるの」
すると会長と高見先輩が言い合いを始めた。僕はそれを横から眺めていた。
それから彼女は僕の中で気になる存在になった。
「高見先輩、起きてください」
今日も生徒会室で寝ている先輩を起こす。 高見先輩を起こして紅茶を出してお話をするのが楽しみになりました。
(寝起きの貴方も素敵です。)
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