自分はバカだなって…
つくづく思った
ずっと執務室に隠ってると辛気くさくなりそうだったので俺は町に出掛けることにした。
勿論、護衛をつけずに…
「今頃…大騒ぎしてるだろうな」
隼人とか血相変えて探し回ってるだろう
でも、今は一人になりたかった
少しでも気持ちを落ち着かせたかった
「ヴァリアーのどこでも行くかな」
この気持ちの唯一の相談相手はザンザスだった
ザンザスには直感でバレてしまった
最初はしまったと思ったが、何も言わず話を聞いてくれるザンザスが本当に嬉しかった
弟のようにしたってくれるザンザスを本当の兄のように俺はしたっていた。
俺はヴァリアーに行こうと想いその場を後にした
それが間違っていたことも知らずに
********
「ねぇ見て!!超お似合いカップル!!」
「うわっ!!マジだ!!モデルさんみたい!!」
嫌な予感がした
恐る恐る女の子達が言っている方を見た
そこにはやっぱりリボーンとルーチェさんが……
てか超直感使えない
反応遅すぎ
超直感は俺に諦めろって言ってるの?
「……っ」
優しい目でルーチェさんを見るリボーン
それに答えるような雰囲気のルーチェさん
あぁ……お似合いじゃないか
美男美女だよね
―――――ミタクナイ
――――――ミタクナイヨ
早く、早くこの場から立ち去らなきゃ
「っ、!?」
「何をやってる綱吉」
「ザンザス!?」
後ろからいきなり目を手で隠されてビックリしたが、その声がザンザスだと気づき警戒を止めた
「どうしてここに…」
「嵐が騒いでたぞ。」
「あぁ……」
「行くぞ」
無理やり手を捕まれ道路の脇に止まっていた車に乗せられた
「……ザンザス」
「ここには俺しかいない。運転席には何も聞こえないようになってる」
「っ、ザンザス!!」
俺はザンザスの胸に頭を預け、彼の服を握りしめた
「ど…して?…どうして…!?俺はリボーンが好きなだけなのに!!何であんな光景見なきゃいけなかったの!?好きでいるのもいけないことなの!?俺は!!俺は……」
どうしたらいいの?
「綱吉…」
優しく背中を撫でてくれるザンザスにしがみつき、ただただ涙を流し続けた
いつになったら涙は枯れるのだろう
END