「オネショってさ、昔よくやったよね」
「…何をどうしたらいきなりその話題にとべるのか、お前の頭に聞いていい?」
「突然尿意に襲われて、都合よく出現するお手洗いに飛び込んで用をたすわけだけど。其処で妙な違和感を感じて目を覚ませば時既に遅し。幼心に絶望を知る瞬間だよね」
「知らねーよ。おめーも一応女なら、その辺とりあえず恥じらえや。年頃の娘が引っ張り出してくる話題じゃねえよコレ」
「いや待て。もしかしたらオネショというあの過酷で耐え難い経験を幾度となく乗り越えて、幼子は成長をするのかしら。どう思う、坂田」
「心底どうでもいいわ。お前さあホントなんでよりにもよってオネショなわけ?どうした、トイレか。トイレ行きたいのか」
「いや、高杉にね。坂田はむかし寝小便ばかりする小便小僧だったと、お聞きしたものだから」
「なに人の過去、最悪に捏造してくれちゃってんのあのタコ助!そりゃあれだぞ、高杉の野郎が勝手に捏造したフィクションだから。実際の人物などにはいっさい関係ありませんだから」
「わかってる、わかってる。それにしても、オネショって実はとんでもない奥深さを隠し持っている気がしてきた」
「ちょ、本当にわかってる?俺の話きいてる?なんかものすごーくいやな予感がするんですけど、ただの思い過ごしだよな」
「よし、坂田。今日はオネショについてとことん語り明かそう、とことんまで追求しよう」
「や、もうマジで頼むから勘弁してください」
寝小便話080528 坂田