「僕からのプレゼントです」
マフラーのお返しだと差し出された黒い箱を受け取り、ゴールドのリボンを解いた。
そこには小さな白いレースのランジェリーセット。
普段自分が着けているような安っぽいものではなく、繊細なアクセサリーのような印象だった。
第一印象は「綺麗」だと思ったのだが、広げてみてその形状に思わず顔を赤らめた。
ショーツとして一番肝心であろうその部分は完全にオープンで。
アンダーヘアを覆う布すら極小のシースルー生地。サイドとバックは紐という、裸より着けた方が恥ずかしいようなものだった。
ひとつ、かわいいと思ったのはセンターのアクセサリー。淡いピンクのパールがシルバーの鎖にちりばめられ、ぶら下がっている。
キラキラとおへその下で揺れるのはきっと綺麗だろう。
「これ……」
「通販で失敗しちゃって」
にっこり笑う顔。絶対これは「成功」したんだと思った。
「折角だから着てみて下さいよ。本当は黒がよかったんだけど」
「こ、こんなのあたしには似合いませんっ。金髪の美女ならまだしも……」
外国のポルノ雑誌に出てくるような、セクシーで肉感的な体でなきゃ似合うはずがない。
先生は下着を手にとってあたしと交互に見比べた。
きっともう先生の頭の中ではあたしは裸でそれを身に着けているんだろう。
「確かにこれに黒い毛は似合いそうにないですねぇ」
いやいや、毛の色の問題じゃくて。もっと大きな問題かと。顔とかスタイルとか……
「小夜が気にするなら剃ってしまいましょうか」
「そんな……っ」
「小夜は僕のものなんでしょう?」
だったら素直に言うこと聞くよね、と肩を抱かれた。
怖いとか恥ずかしいとか考える暇もなく、横抱きに抱えられてバスルームへとさらわれてしまった。
ふわりと先生の匂いのする赤いシャツを掴んであたしの鼓動はドキドキと確かに速くなっていた。
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